実は油絵って、40歳、50歳からのデビューもぜんぜん珍しくないんですよ。どうしてかと言えば、やっぱり最初から画家だけで食ってはいけないから。一旦会社勤めを経て、余裕ができてから描くという人は多いんです。

 私が画家デビューしたのは54歳だから、あと20年、30年は描けるでしょう? だから嬉しいんです。今からまた新しいことに挑戦できるなんて、なんて幸せなんだろうって。

柴田亜美
長崎県出身。『南国少年パプワくん』『ジバクくん』『PAPUWA』などの作品がTVアニメ化され、これまでの著書は累計発行部数2,000万部を超えている。2021年には「KOMIYAMA TOKYO」から画家としてデビューした。

写真=深野未季/文藝春秋

「人を描くのはシンドイ」「漫画家時代はムリをしていた」現代アート作家・柴田亜美(55)が“本当に描きたかったもの” へ続く

2022.09.26(月)
文=吉河未布