家で趣味を楽しむ時間が増えると、同時に道具やコレクションなど物がどんどん増えていく。生活のスペースを保ちながらこれらの物たちとうまく共存するコツとは。
暮らしと趣味を美しく両立している4人の方々の部屋を拝見した。
【HOBBY:01】形も種類も様々なお気に入りのコーヒーの道具をいつでも手の届く場所に
福岡県/久保田真梨子さん
![デンマークのハンス・J.ウェグナー作、ヴィンテージのソファとテーブル。形はもちろん、チークの深い色合いも気に入っている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/7/1280wm/img_b711df1d1b12b772300219213a3f24bc70408.jpg)
落ち着いたトーンのインテリアの中で、ひとりコーヒーを淹れ、味わう様子を「CAFICT(カフィクト)」の名前でYouTubeやインスタグラムにアップしている久保田さん。物選びや映像のセンスの良さ、その独特の世界観にファンが多く、昨年は著書も発売された。
![以前は四角いダイニングテーブルだったけれど、最近丸くて白いものにチェンジ。周囲が歩きやすくなったそう。椅子はアルネ・ヤコブセンの「セブンチェア」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/4/1280wm/img_94da0a9b3038e562f0375cdecaaa0c54169204.jpg)
「コーヒーに興味をもったのが2020年ごろ。同じタイミングで今の家に住み替え、ブログを始めました。最初は全然見てもらえなかったのですが、そのうちにコーヒーのサードウェーブがきて、たくさんの方に見てもらえるように」
それまでコーヒー好きの話題といえば、抽出の理論など、男性的な目線が多かったけれど、久保田さんがハマったきっかけは「器具が可愛かったから」だそう。
![「道具が可愛い」をきっかけにコーヒーにハマり、人気YouTuberになった久保田真梨子さん。ドリッパーだけでもこんなに種類が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/7/1280wm/img_878e7c7ffe1bf6ac15bd8f1eab64f00d62112.jpg)
「きっかけは『ケメックス』のコーヒーメーカーが可愛いと思ったこと。そこからどんどんコーヒー周りの道具に興味をもちました。それ以前も食器が好きで北欧のヴィンテージの食器などを集めていたのですが、コーヒーの道具はミル、サーバー、ドリッパーなどとにかく種類が多い。キッチン横の造り付けの棚を専用の収納場所にしています」
![コーヒー関連の道具やカップ専用の棚。棚上のワイヤーかごはニトリ、左の2個積んだ缶はIKEAのもの。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/c/1280wm/img_5c81a0ac806f0205aad51f5b0d602ce6103638.jpg)
すべてが見えるオープン棚は素材や色、アイテムなどでゾーン分けされ、細かいものはバスケットやトレイにまとめられている。量は多いけれど雑然とした様子がなく、好きな物がいつも見渡せて出し入れしやすい。この棚を含むキッチン周辺は久保田さんの聖域。小学生の娘がふたりいるけれど、キャラクターものの食器は買わないようにお願いしているのだとか。
「インテリアも物も、基本的にはモノトーンで、シュッとしたデザインが好きです。素材ではガラス、木、コルクなど。バスケットも大好きで、蚤の市などで気に入ったものをつい買ってしまい、買ってから使い道を考える、という感じ」
![キッチンクロスやコースターなどの布ものはバスケットにまとめて。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/7/1280wm/img_874f051b2e26f981f882c6375d4b618e191660.jpg)
形はいろいろだけれど全体がまとまって見えるのは、色と素材が揃っているから。増え続ける「好き」が暮らしの中に違和感なくなじむためには、自分が見ていて心地よく、一定のルールが守られていること。久保田さんのインテリアから学ぶことは多い。
MY HOBBY ROOM COFFEE
https://cafict.com/
2022.11.08(火)
Text=Yoko Maenaka(BEAM)
Photographs=Atsushi Hashimoto
CREA 2022年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。