家で趣味を楽しむ時間が増えると、同時に道具やコレクションなど物がどんどん増えていく。生活のスペースを保ちながらこれらの物たちとうまく共存するコツとは。

 暮らしと趣味を美しく両立している4人の方々の部屋を拝見した。


【HOBBY:01】形も種類も様々なお気に入りのコーヒーの道具をいつでも手の届く場所に

福岡県/久保田真梨子さん

 落ち着いたトーンのインテリアの中で、ひとりコーヒーを淹れ、味わう様子を「CAFICT(カフィクト)」の名前でYouTubeやインスタグラムにアップしている久保田さん。物選びや映像のセンスの良さ、その独特の世界観にファンが多く、昨年は著書も発売された。

「コーヒーに興味をもったのが2020年ごろ。同じタイミングで今の家に住み替え、ブログを始めました。最初は全然見てもらえなかったのですが、そのうちにコーヒーのサードウェーブがきて、たくさんの方に見てもらえるように」

 それまでコーヒー好きの話題といえば、抽出の理論など、男性的な目線が多かったけれど、久保田さんがハマったきっかけは「器具が可愛かったから」だそう。

「きっかけは『ケメックス』のコーヒーメーカーが可愛いと思ったこと。そこからどんどんコーヒー周りの道具に興味をもちました。それ以前も食器が好きで北欧のヴィンテージの食器などを集めていたのですが、コーヒーの道具はミル、サーバー、ドリッパーなどとにかく種類が多い。キッチン横の造り付けの棚を専用の収納場所にしています」

 すべてが見えるオープン棚は素材や色、アイテムなどでゾーン分けされ、細かいものはバスケットやトレイにまとめられている。量は多いけれど雑然とした様子がなく、好きな物がいつも見渡せて出し入れしやすい。この棚を含むキッチン周辺は久保田さんの聖域。小学生の娘がふたりいるけれど、キャラクターものの食器は買わないようにお願いしているのだとか。

「インテリアも物も、基本的にはモノトーンで、シュッとしたデザインが好きです。素材ではガラス、木、コルクなど。バスケットも大好きで、蚤の市などで気に入ったものをつい買ってしまい、買ってから使い道を考える、という感じ」

 形はいろいろだけれど全体がまとまって見えるのは、色と素材が揃っているから。増え続ける「好き」が暮らしの中に違和感なくなじむためには、自分が見ていて心地よく、一定のルールが守られていること。久保田さんのインテリアから学ぶことは多い。

MY HOBBY ROOM COFFEE
https://cafict.com/

2022.11.08(火)
Text=Yoko Maenaka(BEAM)
Photographs=Atsushi Hashimoto

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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