「界 由布院」は、古き良き農村を思わせる山間にひっそりと息づく温泉旅館です。主役は、由布院の原風景といえる棚田を中心としたランドスケープ。訪れるゲストも、その風景の一部となり、心ゆくまでくつろぐことができます。後篇では、選べる朝食や田んぼにまつわるアクティビティ、最新の立ち寄りスポットもご紹介します。

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現代湯治体操で新鮮な空気を取り入れ 湯あみ、そして充実の朝ごはんを

 温泉に癒やされ、由布院の森に抱かれながらぐっすりと眠った翌朝は、目覚めもすっきり絶好調。敷地内の小高い場所にある「朝霧テラス」で毎朝7時から行われている、「棚田体操」に参加してみましょう。

 全国の「界」には、ご当地の歴史や観光資源をヒントに編み出された「現代湯治体操」がありますが、ここ「界 由布院」の体操は、田植えなど棚田にまつわる動きを取り入れたもの。深呼吸をしながらのストレッチと軽い有酸素運動で血流をよくし、体をゆっくり目覚めさせます。体操の前後に温泉につかれば、より効果的です。

 自然とお腹が空いたら、お楽しみのご当地朝食。炊きたての白飯に、郷土料理のだんご汁、ご飯がすすむおかずを取り揃えた和食のほか、5種類のパン(黒米、キヌア、豆乳きなこ、米粉、塩豆)が楽しめる洋食もチョイス可能です。

 「界」ブランドのおもてなしのひとつに、ご当地の文化を体験する「ご当地楽」があります。「界 由布院」のご当地楽は、農閑期に行われる手仕事「藁綯(わらな)い」のお守りづくり。「綯う」とは「藁をより合わせること」を言い、縄は手を合わせてできることから「祈りのかたち」と言われています。

 窓の外に広がる由布院の原風景を眺めながら、思いを込めて藁を綯い、自分の好きな色の紐を編み込んでつくるお守りは、普段の暮らしに戻った後も棚田の風景を思い出させてくれるでしょう。(毎日午後4回、午前3回開催。当日現地で申し込み)

 また、ご当地の逸品を集めたショップで伝統工芸などのお土産品をチェックしたり、トラベルライブラリーのカフェスペースで、由布院にまつわる蔵書をめくりながら、ゆっくりとコーヒーを楽しむのもおすすめです。

2022.09.06(火)
文=伊藤由起
写真=橋本篤