そこで芸人さんたちが「おもろい。これ、なんや!」と言って面白がっているのを、『あらびき団』(TBS、2007~2011年)のスタッフさんがビデオに撮ってくれていて、それを番組の会議に出してくれたんです。 

睡眠時間は、3日で1時間に

ーーそして『あらびき団』への出演などをきっかけにブレイクと。ご自身でもブレイクを明確に意識した瞬間というのはありましたか? 

はるな 私はちっちゃい頃からアイドルに憧れていて。当時の私が大好きだったピンク・レディーとか、自分で衣装を抱えながらテレビ局からテレビ局へ移動して、その移動中にも仕事をしているんですよね。ホールに入る前に、その会場の階段の踊り場で歌の中継をしたりとか。メイクなんてしてる暇もないから、ほぼスッピン状態で。

 そういうのをテレビで見たり、「平凡」や「明星」の記事やインタビューで知って、アイドルごっこをして真似てたわけです。 

 で、テレビにたくさん出してもらえるようになって、寝る時間も3日で1時間になったり、少しでも寝られるようにとテレビ局の方が楽屋に布団を敷いてくれたり、記者の方に移動のタクシーに一緒に乗り込んでもらって取材してもらったりとか。そんな状況だったけど、それこそ私が思い描いていた芸能人の世界だから嬉しくて嬉しくて。 

 

 移動で新幹線に乗ってトンネルに入ると、窓に自分が映るじゃないですか。そのたびに映った顔を見て「テレビに出たいっていう、小さい頃からの夢が叶ったの? これって、ほんま?」って、自分で自分に話しかけてました。 

「オネエは、ゴールデンタイムは無理」と言われていた

ーー疲れよりも嬉しさのほうが圧倒的に上回っていた。 

はるな 思い描いていた芸能のお仕事が現実のものとなったから、どれだけ寝不足でも楽しかったですし。

“エアあやや”で知ってもらえた頃って、オネエの方がゴールデンタイムに出ることってまだまだ少なかったんですよ。そういうなかで、『おネエ★MANS』(日本テレビ、2006~2009年)という土曜夕方の番組に出させていただいて。それで、おじいちゃん、おばあちゃん、子供も集まるお茶の間でも知られるようになりましたしね。 

2022.08.28(日)
文=平田裕介