140年前の旅籠を改装、贅沢な景色を眺めながら過ごす
◆福田屋(ふくだや)

明治時代、日本海からの産物を京都や大阪へ運ぶ港として栄えた宿場町に佇み、ランドマーク的な旅籠だった「福田屋」。

残念ながら長い間暖簾を下ろしてしまっていたが、その建物を1組だけ改修し2020年に一棟貸しの料理宿として新たにオープンさせた。

料理は、宿の主であり、ホテルや和食店で研鑽を積んだ西村一樹さんが自ら担当。

「ここには手を加えなくてもよい、豊かで新鮮な食材が集まるので」と謙遜をしながら、琵琶湖で捕れた鮎や天然のすっぽん、ビワマスを丁寧に、そして美しく調理していく。
夏に旅するなら、西村さんが実際に目の前の琵琶湖で釣ってくる鮎をぜひ味わってほしい。

いろりで40分以上かけてじっくり焼かれた鮎の香ばしさとほどよい苦味が日本酒を誘うこと請け合いだ。

湖水料理だけでなく、客の趣味嗜好に合わせた料理を提供するのも、福田屋の特徴。

寿司なども好評だそうだ。琵琶湖の穏やかな波の音に耳を澄ませながら、ここでしか享受できない極上の食体験を。
福田屋(ふくだや)
所在地 滋賀県高島市今津町今津76
電話番号 0740-22-0029
料金 (1室)/121,000円~(1泊2食付き、2名利用)
※1日1組限定(最大6名)。
https://fukudaya.jp/
2022.08.08(月)
Text=Michiko Watanabe
Photographs=Atsushi Hashimoto、Ichisei Hiramatsu
CREA Traveller 2022 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
この記事の掲載号
CREA Traveller 2022 vol.3
日本のワインとご馳走に心躍る テロワールを訪ねて Terroir Journey!
特別定価1,500円 (税込)
「CREA Traveller」2022 vol.3の特集は、「日本のワインとご馳走に心躍るテロワールを訪ねて」。日本には、その土地を訪れなければ出合うことのない美味や風景、文化があります。その風土だからこそ育まれた“土地の恵み・テロワール”は多彩で趣深いもの。唯一無二の味に出合う旅へ、ご招待。