140年前の旅籠を改装、贅沢な景色を眺めながら過ごす
◆福田屋(ふくだや)
![約140年前の建物を6年かけてリノベーション。宿に一歩踏み入れるとタイムスリップしたような気分に。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/d/1280wm/img_4dee90f0b1dead3fb989f8ca0e2a5df2125993.jpg)
明治時代、日本海からの産物を京都や大阪へ運ぶ港として栄えた宿場町に佇み、ランドマーク的な旅籠だった「福田屋」。
![琵琶湖が一望できる2階の寝室。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/e/1280wm/img_de8847ecdebffa5003f96334217c20f9116566.jpg)
残念ながら長い間暖簾を下ろしてしまっていたが、その建物を1組だけ改修し2020年に一棟貸しの料理宿として新たにオープンさせた。
![宿の目の前に広がる琵琶湖で捕れた天然のすっぽんをやわらかく煮て、実山椒のタレにつけて強火で焼きつけた一品。すっぽんは湧き水で2週間もかけて泥抜きする。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/c/1280wm/img_bc131ab81a96dbd742112901f110cf6b109111.jpg)
料理は、宿の主であり、ホテルや和食店で研鑽を積んだ西村一樹さんが自ら担当。
![近江牛のヒレ肉は目の前で焼いて提供。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/2/1280wm/img_e21f7600b1d3eb3d791307579140570a117461.jpg)
「ここには手を加えなくてもよい、豊かで新鮮な食材が集まるので」と謙遜をしながら、琵琶湖で捕れた鮎や天然のすっぽん、ビワマスを丁寧に、そして美しく調理していく。
夏に旅するなら、西村さんが実際に目の前の琵琶湖で釣ってくる鮎をぜひ味わってほしい。
![いろりでじっくりと焼き上げた鮎。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/0/1280wm/img_f03971c149e44223ff0f35941257b7bf114448.jpg)
いろりで40分以上かけてじっくり焼かれた鮎の香ばしさとほどよい苦味が日本酒を誘うこと請け合いだ。
![じゃがいもまんじゅうの揚げだし。中身はすっぽんと木の芽を和えたもの。出汁はすっぽんのスープを使用。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/8/1280wm/img_b89d15f5555acb09f282a5becabbe1b780143.jpg)
湖水料理だけでなく、客の趣味嗜好に合わせた料理を提供するのも、福田屋の特徴。
![朝食は地元「のんきぃふぁーむ」の無農薬米、ビワマス塩焼き、安曇川のふもとで育った鶏の卵を使った出汁巻き卵、すっぽんと新玉ねぎの薬膳炊き合せなど。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/d/1280wm/img_9dc0abee90d14c13e1d9e7a4a45c0e69324696.jpg)
寿司なども好評だそうだ。琵琶湖の穏やかな波の音に耳を澄ませながら、ここでしか享受できない極上の食体験を。
福田屋(ふくだや)
所在地 滋賀県高島市今津町今津76
電話番号 0740-22-0029
料金 (1室)/121,000円~(1泊2食付き、2名利用)
※1日1組限定(最大6名)。
https://fukudaya.jp/
2022.08.08(月)
Text=Michiko Watanabe
Photographs=Atsushi Hashimoto、Ichisei Hiramatsu
CREA Traveller 2022 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。