暑すぎる夏。ドライヤーで乾かすことすら辛く、かといって頭を洗わないわけにもいかず。ドライヤーで乾かしているうちに、結局汗だくになってしまうものです。

 業界では、髪の毛乾かすことを「ドライ」と呼びますが、今回はそんな億劫なドライで、「速く乾かす」ことに特化したお話です。闇雲にやるよりも速く乾かすことができるコツを、ロジックで明かしていきます。

速く乾かすためにおさえるべき3つのポイント

 髪の毛が速く乾くには、条件が3つあります。それは「温度」「風」「水分」です。

・「温度」が高いこと

・「風」が通ること

・「水分量」が少ないこと

 これらは、洗濯物が速く乾く条件と一緒です。

・「温度」が高いこと

 洗濯物が冬より夏の方が乾きやすいように、「気温」が高い方が髪の毛は乾きやすく、低くなるほど乾きにくくなります。

 そのため「冷たい風」より「熱い風」の方が速い乾きます。例えば扇風機で乾かそうとしても、ドライヤーのように熱風ではないので、髪はなかなか乾きません。

・「風」が通ること

 洗濯物を干す際に、洗濯物同士の「隙間」を広く取って掛ける方が乾きやすくなります。これは「隙間に風が通る」からです。洗濯物は密集すればするほど、隙間部分に風が当たらず、乾きにくくなります。

 同じように髪の毛も、隙間があった方が、速く乾きます。

・「水分量」が少ないこと

 ひたひたに濡れた服は、一回脱水しないとなかなか乾きません。髪も同じです。「水分量」を多く含んでいる髪の毛は、一度絞るだけでもかなり乾きやすくなります。タオルでしっかり拭う事が、速く乾く第一歩です。

 

丸い頭には、乾きにくいところがある

 髪の毛には、特に乾きにくいところがあります。それは「耳の裏」と「襟足」です。美容師は、ドライ時にこの部分の乾き残しがないように気をつけています。

 頭は丸く、首の付け根に向かって急激に内側にくぼんでいます。そのため「ぼんのくぼ(首との付け根のくぼみ部分)」と、その付近の「襟足」「耳の裏」は、“丸い頭”にぶら下がる髪の毛が一番密集する場所です。この部分は「密集した洗濯物」のように、ドライヤーの風が通りにくく、水分が残りやすい部分です。

2022.07.31(日)
文=操作イトウ