ウニのイメージが変わった! ぼっかけ丼
そして春から秋にかけてはウニ!
ウニのシーズンは、4~5月いっぱいが紫ウニ、6~9月は希少な赤ウニ。名物“ぼっかけ丼”は、ウニをどんぶりに山盛りにした、至福の一杯です。
「壱岐リトリート 海里村上」のウニのぼっかけ丼がすごかった! ウニのイメージが、がらりと変わりました。
これまで、見た目で房の形が残っているのがいいものだ、と思っていました。でもそれはミョウバンを使って、形を整えているから。壱岐のウニは一見すると、とろけているようだけれど、口にいれると房になっています。そして本来の磯の香りが鼻を抜けていきます。
ひと口目は、そのままで。ふた口目は壱岐の海水で作った塩をちょっぴりとのせます。すると、甘みが増強。一つまみの塩で“料理”になるのです。ミョウバンによる苦味のような後味も一切なし。
また、「東の大間、西の壱岐」と称されるほど、壱岐のマグロは天下一品! しかも多くの漁師さんが一本釣りにこだわり、乱獲を防いでいます。
翌日、料理長であり仲買人の資格も持つ総支配人の大田さんに、競りに連れていってもらいました。
「ハイ、ホウ、ハイ、ホウ、ホウ」
競り人は小気味いい掛け声(値段を言っているそう)をあげながら、カギを手に、魚の入った箱から箱へと移動していきます。買い手は値段を書いた札を箱に投げ入れていきます。
この日の夕食には、大田さんが競り落としたヒラマサがお造りに並びました。メインは、大きな黒あわびを炭火焼としゃぶしゃぶで。七輪を使って自分であぶり、料理長秘伝のアンチョビバターや青唐辛子の入ったニンニク醤油でいただきます。やわらかな感触と滋味深い味わいに、思わずうなってしまいます。
そして真打ちの肉料理、壱岐牛のすき焼きが登場。壱岐牛は潮風を受けてミネラルたっぷりな牧草で育ったブランド牛。すっきりとした脂に甘みもあり、噛みしめるたびに旨みが口いっぱいに広がります。
料理に合わせていただきたいのが、壱岐発祥の麦焼酎。島内の7つの蔵元、それぞれ3銘柄は揃えてあり、味わいや度数などバランスを考慮しつつ、おすすめを教えてくれます。
2022.06.18(土)
文・撮影=古関千恵子