昨今は突出したヒーロータイプや屈折した個性的な人物など、いずれにしても目立つキャラよりは、街に溶け込んで自己主張しない、まわりに配慮しているようなキャラが共感を呼ぶ。そんなときこそ相葉雅紀である。21年10月期に放送された金曜ナイトドラマ「和田家の男たち」(テレビ朝日系)は彼の真骨頂であった。

「和田家の男たち」はジャーナリスト三代の物語。新聞記者の祖父(段田安則)、テレビ局員の父(佐々木蔵之介)、ウェブライターの主人公・和田優(相葉)による男3人のホームドラマで、3人で食卓を囲みながらいろいろな話をして、それぞれの価値観をぶつけあう。最初は祖父や父ほどジャーナリズムにこだわりがなかった主人公がウェブで記事を書き、バズリを体験して少しずつ変化し自身の信念に目覚めていく。……書くと硬派ふうだが、相葉演じる優が毎週、おいしそうな料理を作る場面にほっこり。「優クンの台所(@wadayu_recipe)」というインスタアカウントも作られて人気を得た。

 相葉雅紀はこのような料理を作る役や、志村けんの冠番組「天才!志村どうぶつ園」(日本テレビ系。志村が亡くなったあと「嗚呼!!みんなの動物園」と改題し相葉が司会を引き継いでいる)のレギュラーとして動物に触れ合うような役割と癒やし系の世界が似合う。いつも穏やかな笑顔を絶やさず、女性や子どもたちが共感する世界を体現すること。これが自然にできることは大きな武器であろう。

 この先は舞台「ようこそ、ミナト先生」や映画「“それ”がいる森」が控えている。嵐が休止して、ライブ活動がなくなり、ファンと生で触れ合う機会がないなか、いち早く、生の舞台に出ることで親しみやすさを大事にしていることを感じさせるのも好感度が高い。

 

知性的な役の貴重な演じ手、櫻井翔

 最後は櫻井翔。嵐きっての知性派としてキャスター、MC業に邁進している印象がある。

 ニュース番組「news zero」(日本テレビ系)の月曜キャスター、バラエティー番組「櫻井・有吉THE夜会」(TBS系)、「1億3000万人のSHOWチャンネル」(日本テレビ系)とフィクションの世界よりもノンフィクションの世界で才能を発揮している。

2022.06.05(日)
文=木俣 冬