きょう1月31日、香取慎吾が45歳の誕生日を迎えた。昨年暮れにはSMAP解散から5年が経った。解散の翌年、2017年9月には、10歳のときから所属したジャニーズ事務所を稲垣吾郎と草彅剛とともに退所し、ウェブサイト「新しい地図」を開設している。

 ジャニーズ退所後、まだ具体的に何の予定もない時期には、3人で食事しながらそれぞれやりたいことを話し合ったが、《その時は、実現するとしても5年、10年はかかるだろうなと予想して》いたという(『婦人公論』2020年10月27日号)。それが数年のうちに次々に実現していった。

SMAP解散後、「やりたかったことが一気にできてる」

 2018年には各種ブランドとコラボするショップ「JANTJE_ONTEMBAAR(ヤンチェ・オンテンバール)」をスタイリストの祐真朋樹とともに立ち上げた。さらにSMAP時代から描いていた絵の分野では、2018年9月に初めての個展をフランスのルーヴル美術館に併設するカルーゼル・デュ・ルーヴルで開催している。また『週刊文春WOMAN』では同年12月の創刊以来、表紙絵を担当する。

 SMAP時代には、週5日はテレビのレギュラー番組の収録や生放送を行った上で、ほかの仕事もこなしていた。解散後はもう少し時間に余裕が生まれるかと思ったら、まったく違ったという。《でもこの(引用者注:ソロになってからの)2年間で、やりたかったことが一気にできてるということは、それまでと同じスケジュール感で動いてるってことですよね》とは、一昨年、コロナ禍となる直前に行った鼎談での発言だ(『創』2020年2月号)。

 

 ようするに忙しさがそのまま活動の充実につながっているのだろう。それゆえ、ちょっと空いた時間もけっして逃さない。仕事先のスタジオで、弁当の入っていた段ボールを見て急に創作意欲が湧き、ADからテープなどを借りてアート作品をつくったこともあった。

 この作品を見た美術家の横尾忠則は、《生活の素材を使って、作品の中に生活を取り込んでいる。なかなかできないですよ。普通のアーティストなら、生活と創造の一体化を図ろうと、まず頭で考えてしまうんだけど、香取さんは体が先に動いて、作ってしまってる。(中略)やっぱり香取さんが今まで体で表現をしてこられたことが、この絵にも表れているんでしょうね。体を動かしてないと、こういう作品は作れない》と、本人との対談で絶賛している(『芸術新潮』2018年3月号)。

2022.02.09(水)
文=近藤 正高