例えば、病院を一歩出た時に、世界の空気がまるっきり違うように感じた…とか、一番過酷な現場の真っただ中にいる人にしか感じられない気持ちを、たくさん伺うことができました。

コロナ禍が去った後、我々が目指すこと

 コロナ禍って、今まで当たり前だったことが、急に当たり前ではなくなってしまった、という出来事だと感じています。ただそういう環境になったときには、色々なことをしっかり自分で考えて、判断せざるを得なくなります。出産についても、自分はどうしたいのか、どうするのが一番いいのか、妊婦さんが考える時間は増えたでしょうし、妊婦さんやその家族と、医療従事者が互いを思いやる時間も、増えたんじゃないでしょうか。

 コロナ禍が終わったあと、コロナ以前よりも、妊娠・出産を取り巻く環境が良くなっていたらいいなと思いますし、コロナに苦しんだ我々は、何事においても、それを目指さなきゃいけないんじゃないかなと思います。

『コウノドリ 新型コロナウイルス編』が、そうした変化のきっかけに少しでもなったら嬉しいです。

【マンガ】『コウノドリ 新型コロナウイルス編』第1話を読む

【マンガ】「今からコロナ感染者の妊婦が来るよ」あの時、産科医療現場で起こっていたこととは へ続く

2022.05.23(月)
文=文春コミック