「W大阪」至近のグルメスポット「船場裏路地」に潜入!

 さて、「W大阪」のある南船場4丁目エリアは古くから続く商人の町。その気配を色濃く残すグルメスポットも、2021年12月に誕生した。

 音頭を取ったのは、嘉永元年(1848年)から続く昆布の老舗「小倉屋山本」。本店のすぐ裏にあったゲストハウス跡の町家に、個性的な飲食店4店を誘致。昆布だしの店や寿司、焼き鳥、スナックが軒を連ねている。

◆だし処船場山本

 まずは「小倉屋山本」の“だし処”。だしの旨みを知り尽くしている老舗だけに、だしの味をしみじみと感じられる料理が多い。

 料理は“居酒屋以上、小料理未満”を謳い、大人の隠れ家で懐かしいおつまみとお酒を楽しむ雰囲気。

 料理長はフレンチの修業もしており、にんにくや香辛料を使って、旨みを引き立たせる。だしは昆布だけでなく、さまざまな旨みを重ねてこそ生きると言い、その組み合わせが幅広い。

 昆布を漬け込んだ「昆布焼酎」を片手に、しみじみ美味しい料理を味わいたい。

だし処 船場山本

所在地 大阪府中央区南船場4-10-22 船場裏路地1F
電話番号 06-6484-7723
営業時間 11:30~14:00、17:00~23:00
定休日 日曜、祝日
https://www.sembauraroji.com/

◆鮨 とよたか

 大阪で江戸前の寿司を食べたければおすすめの一店。

 大阪・福島「鮨 千陽(ちはる)」などで修業を積んだ豊島和恵さんが、ひとつひとつのネタに仕事を施し、繊細で美しい、極上の一貫に。

 ピカピカに磨き込まれたまるで茶室のようにきりっとした空間は、豊島さんのステージ。記念日や特別なお祝いに足を運びたくなる。

鮨 とよたか

所在地 大阪府中央区南船場4-10-22 船場裏路地1F
電話番号 06-6244-3010
営業時間 17:00~23:00
定休日 日曜 
※前日までに要予約
https://www.sembauraroji.com/

◆焼鳥 サイヒ

 こちらも女性の大将が場を作る焼鳥屋さん。「サイヒ」は組み合わせると「花」の字になり、女性を思わせる店名だ。

 店長の中村由貴さんは、数種の鶏を使い分け、炭を操る名手。

 例えば前菜のタタキは霜降り肉のような「さつま極鶏 大摩桜(さつまきわみどり だいまおう)」の胸肉を。皮を味わってほしい「ねぎみ」は脂がすっきりしたフランスのブレ・ノワールを……と目的によって肉を替える。

 料理はおまかせコースのみで、前菜を食べ、基本の焼鳥9串のあと追加も可能。土鍋ご飯で締める。

 職人の仕事と女性らしさ、中村さんの明るさを堪能してほしい。

焼鳥 サイヒ

所在地 大阪府中央区南船場4-10-22 船場裏路地1F
電話番号 06-6258-8166
営業時間 18:00~20:00、20:30~22:30の2回転
無休
※要予約
https://www.sembauraroji.com/

◆よすか

 2階にはサロンのような会員制スナック・バーがある。確かに大阪商人たちはこのような場所で商いトークを繰り広げていたのかも……! と思わせる空間だ。

 ママの高橋愛さんは現役で京都・祇園でも活躍中。普段は着物姿の方が多いそうで、はんなりとした接客。

 会員制なのでふらりと入ることはできないが、上記の3店どこかで食べた場合は紹介の交渉ができるという。

 紹介を受けて入ってしまえば、スナック慣れしていない方でも必ずや高橋さんが受け入れ、包み込んでくれる。なんとも楽しい夜になりそう。

よすか

所在地 大阪府中央区南船場4-10-22 船場裏路地1F
https://www.sembauraroji.com/

 OMOROIおしゃれな「W大阪」と、不思議な異世界感を持つ「船場裏路地」の4店。

 過去と未来の“大阪・船場”は、今も日本の先端をいく。丸ごと楽しいんで欲しい小さな旅!

2022.04.08(金)
文=CREA編集部
写真=橋本篤