洗濯家の中村祐一さんは、クリーニング会社「芳洗舎」の3代目。「洗濯から考える、よりよい暮らし方」を提案し、“洗濯王子”の愛称で親しまれています。

 花粉症シーズンに「部屋干し」は付き物ですが、どうしても嫌なニオイが衣類に残ってしまう。今回は、そんな洗濯の悩みを解消するためのコツを解説してもらいました。

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 今年も花粉のニュースをちらほら聞くようになりました。春になるのは嬉しい反面、僕も花粉症なので、憂鬱な季節でもあります……。

 洗濯で出来る花粉症対策の一つとして「部屋干し」が推奨されますが、きまって「衣類がにおう」という声が増えます。

 しかし「部屋に干す」という行為は、部屋干し臭の問題の本質ではありません。

 では、嫌なニオイの原因とは何か。それは、洗濯機で衣類を洗っても汚れがきちんと落ちていないことであり、部屋干しでその汚れがニオイとして顕在化しているというだけなのです。

 基本的な洗濯方法のポイントを押さえると、部屋干ししてもニオイは気にならなくなります。花粉症の対策としてもプラスに働くことは間違いありません。

気をつけるべき「3つのポイント」

 洗濯は、衣類、水、洗剤、この「3つの量」のバランスが悪いとキチンと汚れが落ちません。今、多くの方は……

衣類量→詰め込みすぎ。

水の量→洗濯機の自動の設定の水量が少なすぎるために全然足りていない。

洗剤量→多すぎる人や逆に少なすぎる人など、適正量になっていない人が多い。

 という状態になっています。

 

 これを、以下のように変えてみてください。

衣類量→詰め込みすぎない。縦型、ドラム式いずれも衣類の量を洗濯槽の半分~7、8分目くらいまでに調整する。

水の量→増やす。縦型は洗濯機の自動の設定より、1~2段階水を増やす。ドラム式は、すすぎを「注水」モードに。水位の設定ができる機種なら「高め」などに設定するのもおすすめです。

洗剤量→規定量をパッケージで確認してそれを守る。ドラム式は衣類の量、縦型は水量に合わせた洗剤の規定量が決まっていますが、それより多く入れてしまうと、無駄が多くなり、すすぎ残しも出やすくなってしまいます。

2022.03.17(木)
文=中村祐一