日本を代表する能書の作品や至高の名筆が一堂に
会場は5つのパートに分かれている。第1章は「書の鑑賞」。情報として紙の上に書かれた文字だけではない、屏風や陶磁器、漆器、能装束などにあしらわれたデザインとしての文字を展示することで、文字を使った表現の多様性を紹介する。
第2章「仮名の成立と三跡」では、小野道風、藤原佐理、藤原行成という、9世紀末から11世紀初頭までの約100年間に活躍し、和様の書を大成した3人の能書=三跡の書をまとめて見ることができる。ジャズの即興演奏のような道風の自由さ、残っている消息すべてが「詫び状」という佐理の、内容を裏切って生き生きと踊る文字、謹直でも晴れやかな行成の書と、三者三様の書きぶりの違いが鮮やかだ。
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2013.08.10(土)