暮らし方、物の見方が大きく変わったこの2年。

 あらゆる習慣は見直され、取捨選択できるようになった。それは当然美容にも。もう“頭のいいコスメ”しか使いたくないというように。

常識も疑える“美容脳”を鍛えることが自分を進化させるカギである

 すべてのことに意味がある……ネガティブをネガティブで終わらせないための心得として、私は何かにつけて、この言葉を引っ張り出す。だからコロナ禍にもちゃんと教えはあったはずと。じゃあ美容的にはどんな意味があったのか。

 マスク生活、リモート会議で、今まで気づかなかった自分のこと、肌や顔のこと、色々気づかされたりしたはずだが、さらに時間が経って気づくのは、それ以前の美容には無駄や決めつけがとても多かったこと。なぜなら美容は往々にして、習慣にしていることを正解と思い込んでしまう。

 スキンケアの順番を変えると肌が荒れると思い込んでいるみたいに。でもコロナ禍で長い間の習慣が崩れたからこそ、無駄や思い込み、間違いに気づけた人もいたはずなのだ。極端な話、口紅って塗らなくてもいいんだと、初めて気づくようなこと。

 でも訴えたいのは、そうやっていろんな発見を生む美容脳を鍛えることこそが、自分を進化させるカギであること。決めつけないで考える、情報に頼らずに考える、柔軟に考えることが、気づく脳を作ることになるのではないか。

 だから例えば、今話題のこの化粧品はなぜ心を奪うのか、なぜ素晴らしいのか、自分なりに考えてみる。逆に、こういうふうに既成概念を超え、考えて考えて独自に創造された化粧品でないと、もう心が動かないと思えるのも、美容脳を持つということ。その上で、自分の意志で化粧品を選び直してみる。今回はその練習帳。

2022.04.02(土)
文=齋藤薫
写真=Hirofumi Kamaya

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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