これもまた“風の時代”の仕業か、明らかにモノに対する人々の価値観が変わってきた。
SDGsの盛り上がりに加え、この2年間で断捨離を済ませた人も多かったせいか、無駄なモノは要らない、そして正しいモノしか要らないというふうに。
物質欲より心の充足が大切というふうに意識がシフトしていく今だからこそ、よりシビアに正しさが問われているのは確かなのだ。
ではそういう意味で本当に必要なモノとは何なのか? 化粧品の場合、毎年山ほどの新製品が生まれるせいで、新しいもの=良いもの、正しいものと思いがちだけれども、逆に言えば進化があまりに目まぐるしいコスメ界にあっては、今年の傑作さえ来年には泡の如く消えていくことも。
そんな激変の時代を生き抜いていく正しさとは何なのか、そこまでをきちんと見極めたくなってきた。
だから今ここで精査しておくべきが、化粧品の未来。3年後5年後10年後、あるいはもっと先、一体何が残り何が消えていくのか、未来を予測しておくことで、逆に今選ぶべきものもちゃんと見えてくる。
一過性のものなのか、未来につながるものなのか、それを見極める指針となればと思うのだ。
化粧品を無駄に消費しない大切に育む未来へ
まず重要なのは、化粧品はどういうふうに進化していく宿命にあるのかをきちんと読むこと。
家電がひたすら人を便利にする運命にあるように、化粧品もより早く確実に、より簡単に人を若く美しくすべき運命にあり、だから形状や処方の劇的進化に加え、やがて煩雑なシステムは消え、全方位に効くスーパーマルチな一品が台頭していくことになるのだろう。
極端な話、スキンケアとファンデが境界線を越え1つになっていくような。当然のこととして美容医療と対等になる化粧品の開発や、美容機器の目覚ましい進化もさらに加速度を増していくはず。
その一方で、時代を逆行するような装飾的な容器も、見方を変えれば“化粧品をどんどん使い捨てる時代”に、捨てられない特別なモノを手にする喜びを新たに提供していくのだろう。
つまりいずれの場合も、化粧品を無駄に消費しない方向へと集約されていく。そればかりか、化粧品が心を持ちスピリチュアルな働きを持っていくのも、ひとつの未来。
まさしくモノよりも心、風の時代が、化粧品の素晴らしい未来を見せてくれるのだ。
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2022.01.02(日)
文=齋藤薫