#243 Yakushima Part2
屋久島(鹿児島県)

≫黄金色に輝くクリスタル岬とアカウミガメが産卵する秘境ビーチ 天からの恵みをいただく旅【屋久島】から続く

 屋久島といえば、屋久杉。標高500メートルを超える山地に自生した、樹齢1000年以上の杉をいいます。

 なかでも1966年に発見された“縄文杉”は、屋久杉の中でも最大級、しかも推定樹齢は2170~7200年の古木です。屋久島に来たからには、見てみたい!

 早朝4時30分にホテルを出発。荒川登山口から夜明け前の5時30分、縄文杉を目指して出発しました。

 頭に付けたライトが照らしだすのは、足元のトロッコ道。かつて林業に使われていた線路が整備されたもので、約8.5キロ続きます。行程中には橋が20カ所あり、そのうちいくつかには手すりさえ付いていません。

 最初の屋久杉「大杉」の前では、屋久杉についてレクチャー。花崗岩でできた屋久島は、土に養分が少なく、しかも多雨多湿。そのために杉は自らが腐らないよう樹脂を蓄えながら、ゆっくりと成長するそう。それが、油分が多く、水に強い、屋久杉の特質を生んだとか。

 ふたたびトロッコ道を進み、廃村となった小杉谷集落跡へ。そして、元の切り株に他の樹木が着生して生をつないだ二代杉、三代杉を経て、仁王杉(阿形)を通り過ぎ、トロッコ道の終点の大株歩道入口へ。ここで山道に突入前のひと休み。

 屋久島の湧き水をペットボトルに補充して、トイレも済ませ、いざ、本番です。ここからの山道は約2.5キロメートル、標高差にして約400メートル。道路脇や木の枝に50メートルごとに1~50まで番記された札を目安に、50番目の縄文杉を目指します。

2022.03.12(土)
文・撮影=古関千恵子