“地獄の一丁目”を越えた先にある絶景
「根の上に乗ると滑るので気を付けて」というガイドさんの指示に従い、岩の上を選んで歩き、段差が激しい時には露出した根を掴んでよじ登り、すぐに息が上がってきました。
倒木した翁杉を経て、そして有名なウィルソン株へ!
ウィルソン株では空洞になった切り株の中に入ることができ、決まったある一点から見上げると、ハート形に切り取られた空を見ることができます。緑色の木漏れ日がやさしく降り注ぐ、ピースな光景です。
そして“地獄の一丁目”と呼ばれる、落差100メートルの傾斜を一気に上る階段へ。息は上がり、目の中に汗が入り、心臓が耳の中にあるのかと思うほどバクバク。
縄文杉が発見される前まで最大とされていた大王杉、枝がくっついた夫婦杉(樹齢2000年と1500年で、年の差500年!)、唯一触れることができる子宝杉など、名物杉を回りながら、歩き始めて6時間でようやく縄文杉に到着しました。
足も上がらないほどヘロヘロな状態で見上げた縄文杉は、森の中で神々しいほど王者の威風を漂わせていました。
推定樹齢2170~7200年、樹高25.3メートル、胸高周囲16.4メートル。太い幹のあちこちからコブが飛び出して、賢者の老人の顔のように深いシワが幾筋も走っています。背後は苔むし、山車がだらりと生えています。
倒木の危険性や根の保護から少し距離を置いた3カ所の展望台から、角度を変えて眺めて、しばし堪能。そして帰路へ。往復22キロを11時間かけて踏破!
翌日は、日頃運動していないツケが回り、これまでの人生で感じたことのないような激しい筋肉痛に。まともに歩けるまで数日かかりました……。
2022.03.12(土)
文・撮影=古関千恵子