彼方 その場で何を言ったのかとかは全然覚えてなくって、DVDとかで見たんです。もっと気の利いたこと言えばよかったな。
――結果は9組中8位に終わりました。
小田 もっとウケるかと思ってたし、もっとウケたかったなあと思いましたね。
彼方 もう少し点数が出ると思ったんですよね(笑)。
小田 結局図々しい(笑)。ただ、ファイナルラウンドにはもちろん行きたかったですけど、変に張り切らなかったのは良かったかなって。
彼方 目立ってやろうとか、ここで何か爪痕を残してやろうとかそういうことは全く思ってなかったです。
DVDで「めちゃめちゃカットされた」ネタとは
――2005年と同じく1本のネタを修正しながら、決勝も戦ったんですか。
彼方 そうですね。ザクッとした大枠を作って、何か時事ネタが入ってきたら差し替える、そういうやり方はほとんど変わってないです。
小田 私達が決勝に出たときって、固有名詞を使うことに対してもっと緩かったんです。だからDVDではネタがめちゃめちゃカットされてた(笑)。スタッフさんに「(ネタの中で名前を出した)橋田壽賀子さんにOKもらいに行ってくださいよ」って言ったんですけど……。
彼方 「無理や、切る」って。即答でした(笑)。
小田 面白がって言ってるんですけどね。でもあんなに音消すとは思わなかったです。
彼方 仕方ないから、周りの人にDVD見せてクイズにしたんですよ。「ここなんて言ったでしょうか?」って(笑)。
小田 今はM-1決勝直前になったら、昔の決勝のネタを一挙に配信するようなサービスもあったりするので、ずっと流せるネタが基本なんですよね。だから時事ネタはあんまり言わない方がいいみたい。もうなかなか私達みたいな芸風は厳しいですよね。
――M-1終了後、事務所から所属しないか声をかけられたりしなかったんですか。
小田 なかったわけでもないんですけど、微妙な感じですよね。
彼方 私達から行きたいですと言えば、向こうもウェルカムっていう感じで。ぜひウチにっていう話はなかったです。
2022.01.10(月)
文=「文春オンライン」特集班