今年の「M-1グランプリ 2021」でもすでに決勝進出が決定し、昨年のリベンジを果たすべく漫才の頂点へと突き進む錦鯉・長谷川雅紀さんと、渡辺隆さん。

 ロングインタビューの後編は、お二人のプライベート事情を掘り下げていきます。売れたことで変わった家族との関係性、現在の暮らしぶり、気になる恋愛のこと、そして中年の星と呼ばれる現在地について思うこと……などなど。NGなしでたっぷり語っていただきました。(全2回の2回目。前編より続く)

家族との絆を取り戻した年でもあった

――今年は雅紀さんの地元・北海道へ里帰りしてのロケ番組もよく拝見しました。芸歴16年目の時(2011年)に売れない芸人として故郷へ帰省し母親と再会する、HTB(北海道テレビ)のドキュメント「帰省なう」という番組も放送していましたが、ブレイクしてから改めて故郷へ戻ることができた心境としてはいかがでしたか?

長谷川 めちゃくちゃ嬉しいですね。まさに故郷に錦を飾るというか。昨年のM-1のファイナリストに残っていなかったらそれもなかったと思うと、本当に本当に本当によかったなと思います。

 札幌文化芸術劇場hitaruにも凱旋という形で営業に行けたんですけど、うちの母親や姉弟や親戚、母親が経営している居酒屋のお客さんとか、とにかくいっぱいそこに来てくれて。姉は結婚して現在は違うところにいるんですけど、わざわざ札幌まで来てくれて。姉ちゃんなんて20年ぶりに会ったんですよ。ありがたかったですね。

 あと、母親と姉弟のグループラインがあったんですけど、今年はじめて僕がそのグループに入れたんですよ! やっと家族の一員になれましたね(笑)。

――発売したばかりの著書『くすぶり中年の逆襲』ではお二人のご家族のことも書かれていましたよね。雅紀さんは弟さんに激怒されたようなエピソードもありましたが、今は……。

長谷川 今は弟も本を買ったよとか、テレビ観たよとか、応援してくれています。北海道でしか放送されていない僕らの出演番組も全部録画してくれていて、そのDVDを送ってくれたりとか。ありがたいですよね。さんざん弟に対してひどいことをしてきたのに。

渡辺 弟のデスクトップパソコンを無断で売っちゃったり、雅紀さんが自分のおしりを鏡を使って見ているところを目撃されたり……やばいですよね。

長谷川 時間が経って改めて思うと、さすがにどうかしていたなと思いますよ。でもその時は僕も慌てていたもので。

渡辺 もう犯罪者の言い訳じゃん(笑)。

――今年は家族との絆を取り戻せた年でもあったわけですよね。

長谷川 まさに本当そうです。雪解けというか。

渡辺 つぐないですよね。

2021.12.17(金)
文=綿貫大介
写真=佐藤亘