植木鉢の普及で、美しい花や植物を身近で楽しむように
一方、そうした美しい花や植物を身近でも楽しみたいと、手軽に持ち運べる植木鉢が普及。市中を移動しながら売る振り売りや縁日での販売(たとえば芝・愛宕神社で始まり、浅草寺で本家をしのぐほど盛んになった「ほおずき市」)などによって、人々の暮らしの中に溶けこんでいく。
「珍品」「奇品」を育てて自慢する、マニアも登場!
もちろんこの時代にも、ただ草花を愛でるだけでは済まない「マニア」がいた。一部の武士たちは、葉の形や斑の入り方、色などが他と異なる、「珍品」「奇品」を育てることに熱中。西欧の遺伝学を知らぬまま、橘、万年青、松葉蘭、南天、福寿草など、手探りの品種改良を繰り返し、作り出した「珍品」「奇品」を持ち寄り、手塩に掛けた自慢の「作品」を、美しい絵入りの印刷物に仕立てて、仲間内に配布──という、まるで現代の同人誌サークルのような活動を行っていた。
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2013.07.13(土)