静と動の使い分けが激し過ぎるヒデキを追え!
大阪球場コンサート映像
「君よ抱かれて熱くなれ」など4曲続けて心臓破りの映像が続く。ゴンドラに乗って降臨するヒデキ! 移動ステージで女性ダンサーとのセクシーな絡みを客席に見せつけるヒデキ! いきなり手に粉を着け、空中ブランコを掴んで空を舞うヒデキ! 大暴れである。
これに限らず彼は高いところに上ったり高いところから下りたりの演出が多く、高所恐怖症の友人は「秀樹はその麗しさと高所パフォーマンスで私を殺しにかかってくる」とボヤいている。
ビッグショー「西城秀樹 ~若さを誇らしく思う時に」映像
案内役は、ヒデキにとって東京のお母さんだという森光子さん。森光子さんと黒柳徹子さんの「アイドルから東京のお母さんと慕われるポジション」は本当に羨ましい。
「青春に賭けよう」では客席に下りて歌うシーンがあり、ヒデキが近くに来た時の、女性客と男性客のテンションが違い過ぎるのも見どころ。
ブーツをぬいで朝食を(レッツゴーヤング映像)
舞台でライターに火をつけて見せて「さあ、この火を見ろよ……」とばかりに見せつけてからポケットにしまうという、華麗な着火アクション。今では無理な演出だろう。いろんな意味で炎上しそうだ。それにこれは炎の化身、ヒデキだからこそ成立する。
そしてつくづく思う。歌が本当に上手い!
炎(レッツゴーヤング映像)
「好きな人にきりきり舞いさせられている自分にイラつきながらも陶酔する」ヒデキのウットリ顔と、情熱的な歌唱、炎のメラメラを全身で表現するようなアグレッシブな振り付けと三段で攻めてくるデンジャラスな一曲。
サビの「ah ah ah!」の上半身のソリは、40才以上は真似るな危険。きっと腰をやられる。
ブルースカイ ブルー(第29回 紅白歌合戦映像)
白組司会、山川静夫アナウンサーの「ブルースカイ ブルー、そのブルーは、青春の青です」という言葉が胸に迫る。飛び立つ鳩がペイントされた白い衣装も印象的だ。モクモクと焚かれたスモークをヒデキが操っているようにさえ見える神ステージである。
2021.11.06(土)
文=田中 稲