西城秀樹、それは永遠のヤングマン

YOUNG MAN (Y.M.C.A.)(第30回 紅白歌合戦映像)

 「参加型エンタ」と紹介された通り、紅白出場歌手の多くが一緒に踊る素晴らしい祭り感! ただ時間が押していたのか、テンポが猛烈に速い! 観ながら一緒に手拍子していたがアワアワしてしまった。

 後ろで応援しているクールファイブの眼鏡の人(宮本悦朗さん)が頻繁に映り、その笑顔もまた良き。ちなみにこの年の内山田洋とクール・ファイブの歌唱曲は「昔があるから」。推しの映像は新たな発見をくれる。

 ラスト映像は10年ぶりの出場となった、第45回 紅白歌合戦の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」。ステージの上から怪人二十面相の如くスルスルと降りてくるサプライズ・ヒデキ!

 もしかしたら、今年も何かの歌番組で突然「チャーラッチャー♪」という最高に上がる「ヤングマン」のイントロに乗り、スルスルッと降りてきてくれるんじゃないかなあ。ふっと不思議な感覚になった。

 今年はデビュー50周年だが、まだこれからこれから。西城秀樹は永遠のトレンド。これからも、彼の歌声に熱くなる人は増えていくだろう。

 デビューからのファンの方、ブーメラン組、そして最近ヒデキを知り、彼の歌声に落ちた若者。アーティストに「今では遅すぎた」なんてことはない。いつからでも、いつまでも、大声で好きと叫んでいいのだ。

 さあ、ご一緒に!

「君が望むならッ」ヒデキーッ!!

田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡出る単1008語』(誠文堂新光社)など。
●田中稲note https://note.com/ine_tanaka/

Column

田中稲の勝手に再ブーム

80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。

2021.11.06(土)
文=田中 稲