オヤかヒナか。ビールか塩むすびか

キャベツは自動的に登場する。おむすびはお漬物、スープとセットになっている

 おつまみメニューはあるけれど、基本のメニューは骨付鳥の「オヤどり」か「ヒナどり」のみ。ここで好みが分かれる。噛みごたえのある「オヤどり」が好きな人が通とされているらしいが、私は断然「ヒナ」派。やわらかくてジュワジュワしているところが大好き!

 オヤもヒナも少し辛めのスパイスがふんだんに使われているのが特徴で、これが魔性の味である。ビールが飲める人にはたまらなくビールに合う味らしい。私は残念ながらビールは飲めないけれど、それでも理解できるくらいそういう味。「じゃあ、ビールがないとつまらないの?」と思いきや、私たちには「お茶碗を持つほうの手」があるじゃない!!

 骨付鳥は手で食べるので手がベチョベチョになるからお茶碗は持てないため、ここでは左手に「塩むすび」が鉄則。ちびっこたちも塩むすびと合わせて食べている。ときに骨付鳥からにじみ出た脂をつけたりもしながら食べる塩むすびのおいしいこと! 私の骨付鳥にとってなくてはならない存在だ。

 さて、もうひとつ不可欠なのがキャベツの存在。骨付鳥はざく切りのキャベツと一緒に登場する。これが脂とスパイスまみれになった口をさっぱりとさせてくれ、さらには出てきた脂を受け止めてみたりする機能も兼ね備えている。ざく切りキャベツと塩むすびがなかったら私にとっての「一鶴」は完成しないも同然、というくらい大切な存在だ。「一鶴」はお取り寄せもできるし、たまに百貨店の催事に出ることもある。自宅で食べるにしても必ずざく切りキャベツを用意し、おむすびを握るのがポイントです。

 体中がうどんでいっぱいでも口がよろこぶ「一鶴」の骨付鳥。うどん巡りのスパイスにしていただきたい逸品なのである。

骨付鳥 一鶴 高松店
住所 香川県高松市鍛冶屋町4-11
電話番号 087-823-3711
URL www.ikkaku.co.jp

北條芽以(ほうじょう めい)
神奈川県鎌倉市生まれ。情報誌編集者を経てフリーライター、料理本の編纂を行う。好きなのは炭水化物(特にごはん)とお肉の組み合わせ。お酒はあまり飲めない。「左手にごはん茶碗を!」

Column

北條芽以のLOVEレストラン

美味なるLOVEなひと皿を求めてレストランに通う日々。
著者が偏愛する、この季節、このお店のLOVEはいったい何? あなたの次のレストラン選びに参考になること間違いなし!

2013.05.18(土)