【モザンビーク MOZAMBIQUE】カルメン・リボンボ

「心の自由、心の独立」

 今よりも若い頃、本当の自由とは心の自由であり、自分で考え、問いを立て、答えを求め、自分なりの真実を創造して語る能力だと言われたことがあります。それができるようになれば、識字力を身につければ、いよいよ自由になれるんだと。その日以来、こうした自由についての考え方が人生の原動力となり、その実現が私の夢になりました。

 モザンビークは45年前に独立を宣言したにもかかわらず、私たち国民はまだ心の独立を果たしていません。現在、モザンビークは、識字率が世界で最も低い国の一つです。識字率は人口のたった47%、そのうち女性の識字率は28%に過ぎません。女の子の94%が小学校に入学するものの半数以上が中学校を中退し、大学に進学するのはわずか1%。ほとんどの女の子は、基本的な読み書きのスキルを持たずに学校を去っていくのです。さらに、2019年7月まで、児童婚が合法でした。伝統の結果として何世代にもわたってはびこってきたのです。

 そのため、私は自分自身を例外的な存在だと思っています。モザンビークに住む女の子でありながら、大学へ行くことができ、他の子どもたちが見る夢よりも大きな夢を描くこともできたから。だけど、教育という恩恵を受ける資格があるのは、私だけではなかったはずです。才能があり、能力があり、可能性があり、もっと多くのことを成し遂げられる若い女性は何百万人もいます。私はたまたま両親が教育を大切にしている幸運な人だっただけなのです。

 モザンビークは1975年の独立後、国の再建に貢献できる有能な若者を必要としていました。私の両親は動員され、教育こそが繁栄と成功の鍵であると考えるようになった若者たちの一部でした。ありがたいことに、両親は私に教育を諦めることや10代で結婚することを強要しませんでした。

 若者は木のようなもの。水をあげれば成功できます。若者たちが早い時期に「教育こそ、自分たちが望む変化を起こす唯一の方法である」と知れば、自らが手にしている巨大な力に気づくことができるでしょう。

 すべての人、特に若い女性が教育を受けられるようにして、自分自身の心の自由と独立をつかみ取れるようにすることが私の夢です。高等教育を追求した後は、不足している教育資源に対するソリューションを提供し、何よりも教育という旅において子どもたちをサポートすることの利点について意識を高めていくつもりです。教育は決して運や特権の問題であってはなりません。基本的人権なんです。

『WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs』

これまでにない夢×SDGsの本。
これまで世界中の誰もが夢を抱いてきたように、これからの時代、みんなが夢と同じように共有していくものってなんだろう。
その一つは、SDGsではないでしょうか。私たちは、2015年に世界の国々が結んだ未来への約束に注目しました。
「SDGsネイティブ」と言われるZ世代を中心に、SDGsの達成に取り組む世界の若者たちはどんな課題を見出し、解決に向けて行動し、その先にどんな未来を夢見ているのか。
彼らの夢から明らかになったのは、SDGsとは「何をするか」ではなく、「どんな未来を夢見て、今を生きるか」。SDGsに取り組むためのマインドに焦点を当てた、これまでにない一冊になりました。

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