「界 霧島」周辺は霧島神宮・名瀑など 荘厳で野趣溢れる見どころいっぱい

 「界 霧島」から車で10分ほどの場所にある「霧島神宮」は、神代の創建といわれる古社。主祭神は、建国神話「天孫降臨」の主人公であるニニギノミコトです。

 天照(アマテラス)大神から、この国を治めよと命じられたニニギノミコト(天照の孫)は、三種の神器を譲り受け、お供の神や道案内の神とともに高千穂の峰に降り立ち……というのが、物語の冒頭。

 老杉の濃い緑に包まれた参道を抜けると、豪華絢爛な朱塗りの社殿(国の重要文化財)。南九州屈指のパワースポットといわれるのも納得の厳かな雰囲気で、自然と背筋が伸びます。

 霧島神宮の左手裏、旧参道の坂を少しあがったところに鎮座する「山神社」。木でできた鳥居をくぐると、林立する杉に囲まれた空間に小さな石の祠が祀られています。

 「丸尾滝」は、硫黄谷温泉などの温泉水を集めて流れる珍しい“湯の滝”。濃い緑に水しぶきが上がる夏の清々しさは、一見の価値あり。冬には滝から湯けむりが立ち上り、幻想的なムードに包まれます。

 滝に割れ目が並んでいるのは「柱状節理」といい、熱い溶岩が冷めるときにできたもので、ここが火山群の一部であることを思い出させます。ちなみに霧島市の水道は、100%湧水・地下水で賄われているほど、水に恵まれた地。焼酎や美食の宝庫たるゆえんです。

2021.06.09(水)
文=伊藤由起
撮影=鈴木七絵