星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランドの「界」。第1回前篇では、今年1月にオープンした「界 霧島」の温泉や食事の醍醐味をご紹介しました。続く後篇では、「界 霧島」ならではのアクティビティと訪れたら素通りできない霧島神宮をはじめ、魅力溢れるショップをご紹介します。


「天孫降臨ENBU」と「だれやめセット」で鹿児島のご当地文化を満喫!

 宿に到着したら、まずは温泉。霧島の湿潤な大気とやわらかな湯に身をゆだね、旅の疲れを癒しましょう。夕食の前に立ち寄りたいのが、客室棟3階のビューテラス。誰でも自由に利用できる絶景のフリースペースです。

 ゆったりとしたソファ席に寝転びながら、刻々と変わりゆく夕空を眺め、体のほてりをクールダウン。ビューテラスでは自分で好きなドリンクを持ち込んでもいいし、「だれやめ(鹿児島弁で「晩酌」)セット」をオーダーするのも一案です。

 “王道なのに、あたらしい。”がテーマの「界」らしいマリアージュは、例えば、スッキリとした芋焼酎と、ラム酒が香るアイス最中(梅月堂)の組み合わせ。従来の焼酎のイメージが変わるはず。

 界ブランドのおもてなしのひとつが、ご当地の文化を体験する「ご当地楽」。「界 霧島」では「天孫降臨ENBU」が催されます。

 「天孫降臨」とは日本に古くから伝わる神話で、霧島に語り継がれている日本の建国と歴史にまつわるもの。スタッフ自らが神楽鈴と太鼓を使い、躍動感溢れる舞を演じます。

 焼酎といえば鹿児島が連想されるほどこの地に根差したお酒ですが、宿に居ながらにして様々な種類が楽しめるアクティビティ「もじょか焼酎」も用意されています。“もじょか”とは、鹿児島の方言で“かわいい”こと。常時20種類以上のミニボトルで楽しめるので、初めての銘柄にもトライしやすいですね。

 お楽しみの朝食は、りんご黒酢ドリンクからスタート。睡眠中に失った水分とミネラルの補給に最適です。メニューは、炊き立てぴかぴかのご飯に、鶏肉と麦味噌が決め手のさつま汁、焼き魚や卵焼きといった定番料理、陶板で焼きながらいただくさつま揚げ、おぼろ豆腐、蒸しものなど盛りだくさん。

 たっぷり供される削りたての鰹節はパリッとした食感。こちらをご飯にのせ、甘い薩摩醤油をかければ、いくらでも食べられそうなおいしさです。

2021.06.09(水)
文=伊藤由起
撮影=鈴木七絵