──「私を理解しない世間が悪い」というふうには考えなかった?
松本 まさか! そんな風に思ったこと一度もないです(笑)。誰かのせいにするのって簡単なんですけど、それでは何も解決しないんです。デビュー作以降売れない時代が続いた当初は、「事務所がちゃんと売ってくれないんじゃないか」と思ったこともありました。でも、結局そういう状態を引き寄せているすべての元凶は自分にあると気づいたんです。
自分が輝ける唯一無二の存在になれば、自然とまわりにサポートしてくれる人が増え、使いたいと思ってくれる人も増えるはずです。
人のせいにする暇があったら自分を磨いた方がいい。それに、全部自分のせいにすると、確実に成長できます。だから長い目でみたら、そちらの方が人生得なんじゃないかと思っています。
いつか結婚して子どもを生む人生もいいな
──引っ越したばかりとおっしゃいましたが、そろそろご結婚なども視野に入れておられるのですか。
松本 そうですね。まだ現実的には考えられませんが、最近やっと、いつか結婚してもいいかなと思えるようになってきました。
納得のいく仕事ができていなかった18年間は、自分が仕事できちんと自立できなければ結婚しても男性に依存することになるので、それはイヤだと思っていましたし、たとえ結婚したとしても子どもなんか育てられないだろうと思っていました。
最近やっと、少しずつですが仕事ができるようになってきました。まだ具体的に思い描いているわけではないのですが、いつか結婚して子どもを生む人生もいいなと、漠然と考えたりもしています。
演技でも、独身での表現と結婚してからの表現は違うと思うので、それも自分で見てみたい。家族を持つ感覚ってどういうものなんだろうとか、あとは子どもがいるとか。1人でストイックに鍛練していくというのはこれから先も続けていきますが、もう少し自分が納得して仕事ができるようになってきたなと思えるようになったら、そこにふさわしい相手が現れて、自立した関係で一緒に過ごせる……なんてことになったらいいですね。
2021.05.15(土)
取材・構成=相澤洋美