郷土料理こそがイタリア料理の真髄!
イタリア各地方の郷土料理や、マンマが工夫して作った料理を研究している齊藤奈津子さんが、家でもできる簡単なイタリア料理をご紹介します。
最近スーパーでも見かける「一口サイズのモッツァレッラ」こと「ボッコンチーニモッツァレッラ」
最近日本のスーパーマーケットでもよく見かけるようになった、一口サイズのモッツァレッラチーズ。
「ひとくちサイズ」や「ひとくちモッツァレッラ」など、“ひとくち”と書かれてよく売られています。
イタリアでは「ボッコンチーニ」と呼ばれ、切らずにそのまま使えることからとても人気の高いチーズです。
「ボッコンチーニ」とは“一口大”という意味。職人が手で一口サイズにちぎりながら作るため、そのような呼び名がついています。
ちなみに「ボッコンチーニ」という言葉はモッツァレッラチーズ以外にもボッコンチーニ ディ パーネ(一口サイズのパン)、ボッコンチーニ ディ カルネ(一口サイズの肉)など、色々なお料理に使います。
昔マンマの料理を手伝っていた時、鶏肉のかたまりを「ボッコンチーニ状に切っておいて!」と言われたのですが、全然意味が分からずボーッとしていたら、手のひらで小さな丸を作りながら“小さい”という意味の「ピッコロよ! ピッコロッ!」と軽く怒られたことがあります。
翌日スーパーのモッツァレッラチーズのコーナーに「ボッコンチーニ」と書かれてあったのを見て、なるほどー! っと思いました。マンマは「一口サイズに切っておいて!」と言っていたんですね。今でも忘れられない単語のひとつです。
ちなみに大きいサイズを「ボッコーニ」、水牛の乳で作られ三つ編み状になっているものを「トレッチャ」など、原材料や形状などによってモッツァレッラチーズは色々な呼び方で呼ばれています。モッツァレッラチーズの奥深さが垣間見れますね。
さて、今回は日本のスーパーでも手軽に手に入る「ボッコンチーニモッツァレッラ」を使った簡単なお料理「ボッコンチーニモッツァレッラのマリネ」をご紹介します。
お好みのハーブや材料をオリーブオイルと一緒に混ぜてマリネするだけ。すぐに食べるのも良いし、瓶などに入れて翌日食べるのもおすすめです。
パンなどに乗せて、ビールや白ワインなどお酒のおつまみとしても楽しめます。
2021.04.24(土)
文・撮影=齊藤奈津子