東村 スーパーボールって、私が子どもの頃お祭りの出店とかですごく人気があったんです。特に、大きくてキラキラのスーパーボールは宝物的存在で、みんなの憧れのアイテムでした。

 キムタクが主演の『ロングバケーション』というドラマでも、すごく印象的に使われていましたよね。マンションの3階から落としたスーパーボールをキムタクがキャッチするというシーンは1996年当時、すごく話題になりましたが、いつか何かに使いたいなと思ってました。

 スーパーボールって、温めるとよく跳ぶんですよ。何人もの手で温められたスーパーボールがどんなふうに「跳んで」いくか、最後まで関わってくる重要なアイテムなので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

初恋の記憶の甘酸っぱさは世界共通

――この作品は日韓同時連載中ですが、韓国でスーパーボールのとらえ方に違いがあったりしないのでしょうか。

東村 日本と同じように昔流行っていたし、なんなら今もリバイバルブームで流行っているみたいです。

 初恋の概念も、お国柄みたいなのがあるのかなと最初思っていたのですが、連載が始まってみたら、初恋の記憶の甘酸っぱさって世界共通なんですよね。しかも男性からも女性からも多くの反響をいただいているので、「初恋には男女も国境も関係ない」とあらためて感じています。

 
 

縦スクロール漫画は2分で慣れます

――漫画の形式はどうですか。紙の漫画と、スマホの縦スクロールだと作り手も読み手も慣れない気がしますが。

東村 まず縦スクロールは読む時の目の動きが紙と違うので、最初は戸惑いました。紙の漫画だと、見開きの最初のコマを読んでいる時に最後のコマが目に入ったり、最後まで読んだあとまた前のページに視線が戻ったりしますが、縦スクロールはそれがありません。情報の入れ方も流れの概念も紙とは全然違う。でも慣れてしまえば、作業自体は縦スクロールの方がラクなんです。フルカラーの色付けも、塗り絵のようにすごく楽しんでやっています。思い描いた色をつけるだけなので、なんならモノクロで表現するより楽です。

 私たちもすぐ慣れましたから、読者の方もいざ読んでみたら2分で慣れるはず。はい、もう、絶対に2分で慣れますよ。今まで縦スクロール漫画は読んだことないという方にも、ぜひ読んでいただきたいですね。

 特に、昔の恋愛全盛の少女漫画を読んで育ったお姉様たちには、縦スクロールデビューしていただきたいです! 移動中も読めますし、ジップロックに入れればお風呂でも読めます。それに、老眼気味でも、縦スクロール漫画ならスワイプで拡大できますから最強です(笑)!

ピッコマにて連載中(毎週月曜更新)

取材、構成=相澤洋美
写真=松本輝一/文藝春秋
ヘアメイク=後藤るみ
スタイリスト=藤原わこ

【マンガ】推し俳優は初恋の“こうちゃん”なのか… ひとつだけ聞きたい「私のことを憶えていますか?」 へ続く

2021.03.09(火)
取材、構成=相澤洋美
写真=松本輝一/文藝春秋
ヘアメイク=後藤るみ
スタイリスト=藤原わこ