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 なおBさんは入院初日に38度の熱が出て、翌日からは息苦しさと高熱が顕著になり、酸素吸入に加えアビガンやステロイドを投与される一幕も。このため入院当初は食欲もなく寝てばかりいたが、その後は徐々に体調が回復し、病院食では物足りなくなった。

「小魚とナッツの入った小分けのお菓子を持ってきていたので、小腹が空いたときに食べていました。看護師さんにはタオルや石鹼など生活必需品の購入は頼みやすいですが、食べ物は気が引ける。持参するのがよいでしょう」(同前)

 結局、Bさんの入院は3週間近くに及んだ。時間を持て余したときはiPad miniで電子書籍を読んだり、「NHKプラス」で好きな大相撲を観て時間を過ごした。趣味のグッズもあると心が休まるだろう。 

退院して自宅に帰ると洋服が……

 ちなみに、Bさんが退院して自宅に戻ると、

「締め切ったクローゼットの洋服がカビにやられていました。入院が長期になることもあります。一人暮らしなら収納扉を開けていくか、家族に途中で空気を入れ替えてもらってください」

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 一方で重症患者の場合は事情が違う。都内在住の飲食コンサルタントの男性Cさん(49)は高熱が出て、PCR検査と同時に酸素飽和度を測定すると、91%(正常値は96%以上)まで下がっており即入院。

「入院中はトイレに行くのも眩暈(めまい)がして、ひたすら寝て回復を待つだけの毎日。友人に下着を届けてもらいました。食欲もなく、ゼリー状の栄養補助食品を入れておくことをお勧めします」

 陽性判定と、保健所の指示はある日突然やってくる。動けるうちに備えておけば、療養時の過ごし方が格段に違うはずだ。

うちだ・ともこ/ 1977年山口県生まれ。婦人科疾患、周産期医療、不妊治療を中心に取材を行う。日本医学ジャーナリスト協会会員

2021.02.24(水)
文=内田朋子