開運の第一歩は自分の心=本質を知ること

 2020年から続くコロナウイルスの脅威が今もなお続く2021年が始まりました。私たちの日常も大きく変化する中、自分が願っていることも変化しているかもしれません。でもそれは自分が本当に願っていることでしょうか?

 自分の本当の願いを知ることが開運につながるという作家(にして見習い占星術師)の望月麻衣さん。三毛猫のマスターと星遣いの猫たちが人々の悩みに寄り添って導く大人気小説、「満月珈琲店の星詠み〜本当の願いごと〜」から、その方法を探ってみたいと思います。

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「本当の願いごとを『知る』だなんて、わざわざ知る必要なんてあります? そんなの、みんな当たり前に知ってることだと思いません?」

 本作中で星遣いのペルシャ猫・ヴィーナスがこう言っていましたが、望月さんも最初はそんなふうに思っていました。自分の願いごとなんて、当然知っている、と。

 ですが、実は「本当の願いごと」からは、少しズレていたのです。

「ダイエットに成功する」ではなく「綺麗になりたい」と願うべき

 当時の望月さんの願いごとといえば、「宝くじに当たりたい」や「ダイエットに成功したい」。

 「宝くじに当たりたい」というのは、つまりは「お金が欲しい」ということ。

 でも「お金」というのは、実は「経験と引き換えができるチケット」のことで、「旅をする経験」「美味しいものを食する経験」「家を買う経験」――お金はそういう経験との引き換えのチケットなのです。

 宇宙の星々は、いつだって「経験したい」という人を応援したいと思っています。

 だから、本当は「あなたはどんなことを経験するチケットが欲しいですか?」と、お金という名の「経験チケット」を渡す準備もしているのに、「いやいや、とりあえず、チケットをください。なんでもいいからください」と言われてしまっては、渡したくても渡せない。「宝くじに当たりたい」という考えは、そういうことなのです。

 「ダイエット」に関しては「痩せれば、綺麗になれる」と思っていたわけです。それなら「ダイエットに成功する」ではなく、「綺麗になりたい」と願うべきことでした。

 こういったように「本当の願い」から自分の願いごとが少しズレていたわけです。

 開運の第一歩は、「自分の本当の願いごと」を見付けることであり、願いに行きつく前に、自分の心、本質を知り、整理をする必要があります。

 「自分」を知るために、まずは自分のネイタルチャート(出生図)を調べてみましょう。オンラインでは無料のホロスコープを検索できます。たくさんありますが、「アストロドットコム」「さくっとホロスコープ作成」が使いやすいかもしれません。

 ここでは、「満月珈琲店の星詠み〜本当の願いごと〜」に登場する渋谷の広告代理店でイベントプランナーをする市原聡美さんのネイタルチャートを例えに、満月珈琲店のマスターの星詠みを見てみましょう。

2021.02.09(火)
文=文春文庫編集部
イラスト=桜田千尋