満月珈琲店のマスターが星詠みを開始
小説に登場する市原聡美さんの太陽星座は蠍座、月星座は蟹座。月は「⑥」、太陽は「⑩」と書かれたスペースに入っています。
「太陽は、第十室に入っていますね。図にも書いていますが、出生図の頂点である十室は『社会・人生の目指すところ』です。ここに太陽が入っている方は、強い仕事運と、ご自身が思う成功を目指して野心的に取り組んでいけると暗示されています。また、星座が蠍座なので、勉強を怠らず強いこだわりを持ってお仕事をされている……。
また、太陽は女性にとって、男性を意味するので、父親を強く尊敬していたり、また結婚相手も尊敬できる人であってほしいという思いが強くあるかもしれません。
そして月は第六室に入っていますね。六室は『仕事』を示す部屋。出生図から読み解くと、あなたは日々忙しく仕事をしている方が、むしろ安心する傾向にあるようです。十室に太陽、六室に月と、これだけ見ると根っからの仕事人間のようです。
ですが、月星座が蟹座です。あなたは、もうひとつ安心できる場所を必要としているようですね。
『普通の星座』とは、太陽星座のことです。太陽星座はあなたの看板です。月は内側、本質であり本能であり、素の部分です。そんな月が『蟹座』にある。あなたは、蟹座の環境にいることで心からホッとできるんですよ」(満月珈琲店のマスター)
それまでの言葉には納得できたのに、蟹座についての話だけはピンとこなかった様子の聡美さん。
マスターの言葉がヒントになって、自分で自分を縛ってしまい、本当の願いに気付いていなかったことが分かったのです……。
月星座の蟹座が何を指すのか、聡美さんの本当の願いは何なのか……自分のネイタルチャートを確かめつつ、「満月珈琲店の星詠み〜本当の願いごと〜」から答えを導き出してください。
『満月珈琲店の星詠み~本当の願いごと~』
望月麻衣/画・桜田千尋
文春文庫 670円
» 購入する(Amazonへリンク)
満月珈琲店の三毛猫のマスターと星遣いの店員は、極上のメニューと占星術で、迷える人の心に寄りそう。結婚と仕事の間で揺れる聡美、父の死後、明るい良い子を演じてきた小雪、横暴な父のため家族がバラバラになった純子。彼女たちが自分の本当の願いに気が付いたとき――。美しいイラストに着想を得た心温まる書き下ろし小説。
望月麻衣(もちづき・まい)
作家。北海道出身、京都在住。『京都寺町三条のホームズ』で第四回京都本大賞。同作はシリーズ150万部を突破し、コミック化、アニメ化もされている。現在著作は42冊刊行。累計で270万部突破する。最新作は『満月珈琲店の星詠み~本当の願いごと~』(文春文庫)。仕事や家族など悩みを抱える人々が、占星術の導きによって癒されるハートフルストーリーの第2弾。
桜田千尋(さくらだ・ちひろ)
イラストレーター。WEBで発表した「満月珈琲店」のイラストが話題に。望月麻衣さんとのコラボによるイラストストーリー集『満月珈琲店』を刊行。
2021.02.09(火)
文=文春文庫編集部
イラスト=桜田千尋