●たるみは筋膜を意識してケア
では、ケアです。
体験したメニューは、リンパを意識したオイルトリートメントだったのですが、ケア中に、昨今の悩みであるところの「顔のたるみ」を訴えたところ、担当してくださった久代(くしろ)由香さんがデコルテケアを勧めてくれました。
「全身の筋肉は、筋膜という一枚の膜で覆われています。ですから、パーツケアをする時も、周囲を意識するのが大事です。頭皮だけでなくデコルテもしっかりケアすると、スッキリさせやすいですよ」(久代さん、以下・同)
なるほど!
思わず膝を打ちました。
というのも、「顔の肌は頭に繋がっているから、頭皮ケアをしましょう」とは、よく言われますよね。そこで、私も「顔を上げたいから、頭皮だな」と考えて、思い出した時には頭皮マッサージをするように心がけています。
が、言われて気がついたのですが、上から上げる勢力があれば、下から引き下ろす勢力もあるわけで、下を軽くして「重り」を取ってあげない限り、頑張って上を軽くしてあげても、顔は下がりっぱなしになるのかも。
そして、それをしていなかったから、昨今の私の顔は下がりっぱなしになっているのかもしれません……。
なお、デコルテというのは、首から胸元、背中、肩辺りを指すフランス発の言葉とか。元は、胸元が大きくあいたデザインを指していたものが転じて、胸元が大きくあいたデザインの服を着た時に見える範囲の「体の部位」を指すようになったそうです。今、調べたわけですが。
●デコルテケアの方法
では、デコルテケアの方法です。
今回は、生の椿オイルを使用して行います。
使う量は、お肌が摩擦を起こさないよう、塗るだけの時よりも少し多めを意識するといいそう。他のオイルやローションを使う場合でも同じです。
ケアすべき場所は、首に力を入れた時に浮き出る筋肉の2本のライン。
このラインを、オイルをたっぷりつけた手の指先で、首のつけ根から鎖骨に向かって上から下へと優しく触れていくのですが、その前にオススメなのがわきの下と鎖骨上のケア。
「わきの下と鎖骨の上のくぼみを人差し指から小指までの4本の指で円を描くように優しくほぐしてあげましょう」
これらを先に行うのは、リンパが集まる「リンパ節の門」を開ける意味があるのだとか。
「ゴミ箱のふたが閉まっていると、ゴミ(老廃物)は中に入りませんよね。それと同じで、リンパをしっかり流すために、準備を行うんです」
その後、首のつけ根から鎖骨に向かって流すように手を動かします。
「ラインの上から下へ、指先で優しくそっとなぞるのを2回くらい行いましょう。最後に、終点となる鎖骨の上下のくぼみを親指などで押すのもオススメです」(久代さん)
「リンパにはお肌の表面近くにある表層リンパと深い場所にある深層リンパがあります。今回の方法は、表層リンパにアプローチするようなご自愛テクニックになりますので、ゆっくりとさするように、優しくケアしてあげてください。
表層リンパは、たとえるなら水銀のようなイメージのもので、強く押しすぎると弾けて逆戻りして、効果が半減することもあるんです。深いところはプロのセラピストにお任せくださいませ」
乾燥すると皮膚のぴんと張った力は弱くなるので、まずはしっかりと保湿するのがなによりも大切だそう。
優しくケアをして、潤いだけでなく、ハリと弾力もキープしていこうと思いました。
久代さん、ありがとうございました。
Column
にらさわあきこの日々是実践美容道
新人美容研究家のにらさわあきこが取り組む美容道。アラフォー超えて、本格的に真剣に取り組むことになった「美容体験」や「美容習慣」の考察記。
2021.01.24(日)
文・写真=にらさわあきこ