CREA WEBでは今冬、まだ見ぬ沖縄の魅力に出会える、沖縄本島周辺の15離島をクローズアップ!
その第4弾では、「てるしの(太陽神)の島」とよばれる伊平屋島(いへやじま)と、そのお隣・野甫島(のほじま)へご案内します。
美ら海の先に浮かぶとっておきの楽園
誰もが一度は行ってみたい沖縄の大人気スポットといえば、沖縄美ら海水族館。
実は、その先に沖縄通でも行ったことのある人は少ない、とっておきの楽園が待っています。
その玄関口となるのが、美ら海水族館からバスに乗って約30分の運天港(うんてんこう)。
ここから毎日2便が運航している「フェリーいへやⅢ」に乗り、ひたすら青い海を眺めること約1時間20分。手つかずの自然と、離島ならではののどかな空気が残る伊平屋島に到着です。
太陽に照らされる「てるしの(太陽神)の島」と古くからよばれてきた伊平屋島。
大海原に浮かぶ緑の木々に覆われた島に近づくと、赤瓦が鮮やかなポートターミナルが見えてきて、離島ならではの風情にテンションが上がります。
島に上陸したら、まずは腹ごしらえ。ポートターミナル内にある「ヴィラージュ」に立ち寄ってみます。
軽く沖縄そばでも……と思ってメニューを見ると「え、何?」
チヌマンワタじゅーしー 500円
じゅーしーって、あの炊き込みごはんのことかな。百聞は一見に如かず、とにかく注文してみます。
「これが、じゅーしー?」
沖縄料理の定番「じゅーしー」。そもそも雑炊の意味だそうで、沖縄本島のコンビニなどでも売っている、お馴染みのタイプは「くふぁ(硬)じゅーしー」。
そして、こちらは「やふぁら(柔)じゅーしー」なのだそう。
漁師の島でもある伊平屋島では、「チヌマン(=テングハギという魚)」の「ワタ(=内臓)」を雑炊にしたものがよく食べられているといいます。
アツアツのじゅーしーは、特産のもずくなども入って、濃厚な海の香りがいっぱい。
上陸してすぐに島ならではのひと皿に出会えて、ちょっとうれしくなりました。
「ヴィラージュ」のすぐ隣にはカフェもあります。
2020年5月にオープンした「umi cafe」は、手作りパンやスイーツのほか、島の特産を使ったカフェメニューも味わえる最新スポット。
伊平屋島産マンゴーのフローズンドリンクや、伊平屋ブルーをイメージした青いカクテルを飲みながら、のんびりとした時間を過ごせます。
カフェでひと息ついたら、島内散策へ。
周囲約34kmの伊平屋島。島の中央には、標高約200m級の山々がそびえます。島めぐりの際には、あらかじめレンタカーやレンタサイクルを手配しておくのがおすすめです。
まず行ってみたのが、腰岳展望台。360度の眺望が気分爽快です。
離島といえば、やっぱり海がとてもきれい。
これまで沖縄本島の海で感動していた人も「こんなに海の色って違うの!」と、感動すること間違いなし。
また、パワースポット、クマヤ洞窟も必見です。
2億8000万年前にできたという岩山の隙間をくぐり抜けると、そこにはなんとも神秘的な空間が。太陽の神・天照大神がお隠れになった「天の岩戸伝説」が残されている日本最南端の場所です。
樹齢約300年というリュウキュウマツの大木「念頭平松(ねんとうひらまつ)」も見どころです。国指定特別天然記念物となっている伊平屋島のシンボル。
島内には、昔ながらの素朴な風景もたくさん残っていて、心癒やされる「本物の島時間」を満喫できます。
では、次のページでは、この素晴らしい自然環境を生かして活動する、すごい職人さんを訪ねてみます。
ヴィラージュ
電話番号 0980-46-2027
営業時間 喫茶・食堂 11:30~13:30/売店 7:30~9:30、11:30~13:30
定休日 不定休
https://ja-jp.facebook.com/1820694234877339/
umi cafe
営業時間 8:00~20:00
定休日 不定休(平日ときどきお休みします)
https://www.facebook.com/Umi-cafe-IHEYA-102006501554171/
2021.01.20(水)
取材・文=矢野詔次郎
撮影=志水 隆