名物・スーファイをいただきます!

 さて、孤島のグルメ旅、すごい塩に出会ったあとは、島の名物を食べにいきます。

 伊平屋島といえば「スーファイ」が必食とのこと。

 そこで、前泊港近くにある名店「海産物料理 海魚(かいぎょ)」へ。

 マスターは、船に乗って釣りに出たり、海に潜ったりする現役の海人(うみんちゅ)。さらに料理人歴30年以上で、魚を選ぶ目も、さばく腕も確かです。

 まずはオリオンビールで「乾杯!」

 つまみは、「魚の皮のてんぷら」です。

 本日は、沖縄を代表する高級魚・ミーバイの皮をフーチバー(琉球よもぎ)と一緒に揚げたもの。

「わ、旨い!」

 コラーゲンたっぷりで濃厚風味。ビールに最高です。

 続いて〝イマイユー(今獲れたての魚)〟の刺身がテーブルに。

 器のなかには、これまた沖縄の人気魚・イラブチャーをはじめとした旬のお魚がたっぷり。それをお醤油ではなく、沖縄ならではの酢味噌あえでいただきます。

 もっちりとした新鮮な弾力と、獲れたてだからこその旨み。幸せです。

 さらに南の島ならではの美味、「夜光貝の刺身」を。

 コリコリとした食感と、口に広がる磯の香りにうっとり……。

 そして、いよいよお待ちかねの「スーファイ」が登場です。

 スーファイとは、伊平屋島で古くから食べられてきた伝統的な保存食。まだ冷蔵庫がなかった時代から、魚の骨をとり、塩漬けにして天日干しにしたものが、ごちそうとしてご家庭の食卓で愛されてきたといいます。

 ひと切れ口に入れると「これさえがあれば、何杯でも泡盛いけそう!」

 噛みしめるごとにあふれだす、なんともいえない濃ゆい旨み。新鮮な刺身もいいけれど、干物ならではの熟成した風味がたまりません。

 もちろん、合わせる泡盛は、伊平屋島の「照島」です。

 さらにテーブルには、本日の煮魚が。

 マスターが釣ってきたという「ムルーのマース煮」です。

 「ムルー」とは、「ムネアカクチビ」。

 といわれても、どんな魚かまったく分かりません。本土にはあまり出回らない、フエフキダイの仲間だとか。それをシンプルに塩と泡盛、生姜だけで煮込んでいます。

 ふっくらとした白身には、上品な滋味がたっぷり。島魚のおいしさにしみじみと心が癒やされます。

 そして、〆にはこちら。

 新鮮なイカが獲れる島だからこその逸品「イカスミ焼きそば」です。

 太めの沖縄そばに、旨みとコクがたっぷりのイカスミがしっかりとからんで、やみつきになる味わい。もう、大満足です。

 ところで、ここでひとつお知らせ。

 2021年1月23日(土)には、伊平屋島をはじめ、沖縄本島周辺に浮かぶ島々のおいしいものをご紹介するオンラインイベント「眞鍋かをりの孤島のグルメ」を開催します。

 気になる人は、この記事の4ページめも要チェック!

海産物料理 海魚

電話番号 0980-46-2544
営業時間 11:30~14:00、17:00~24:00
定休日 不定休
https://kaigyo.ti-da.net/

2021.01.20(水)
取材・文=矢野詔次郎
撮影=志水 隆