梵太郎と政之助の様子がガラリと変わった理由は?
さて、弥次喜多シリーズには弥次郎兵衛と喜多八のほかに、欠かせない登場人物がいます。それが市川染五郎さんと市川團子さんが演じる梵太郎と政之助です。
はちゃめちゃな弥次喜多に対して子供ながらしっかりした侍主従という構図で、客席を沸かせている存在です。健気な少年キャラでスタートした梵太郎と政之助だったのですが、最新作ではガラリと様子が変わっています。いったい何があったのでしょう?
次回はふたりを演じている染五郎さんと團子さんのインタビューを交えながらお届します。
●コラム「口上人形が物語世界にエスコート」
シリーズ最新作と聞くと、過去の作品を知らないと楽しめないのでは? と思う方もいらっしゃるかもしれません。その不安をかき消してくれたのは猿之助さんの言葉でした。
「前作を知らないとわからないようなつくり方はしていません。そういうのは自分自身があまり好きでないんです。ですから心配はいりませんが、最低限の情報は冒頭で口上人形がしゃべるようにしました」。
人間の代わりに人形が口上を述べる口上人形は『仮名手本忠臣蔵』の通し上演の際にお馴染みの存在で、図夢歌舞伎第1弾『忠臣蔵』にも登場しました。単なるナレーションとはひと味違った歌舞伎独特の解説にも注目です。
図夢歌舞伎『弥次喜多』
(ずぅむかぶき やじきた)
松本幸四郎・市川猿之助のふたりがお騒がせコンビ“弥次喜多”を演じるあの大人気シリーズが、最新作を引っ提げオンラインに初登場! 脚本・演出に加え、今回は初監督をつとめる猿之助が選んだ題材は、2009年にPARCO劇場で上演された前川知大作『狭き門より入れ』。猿之助とTVドラマでの“いとこ競演”が話題を呼んだ市川中車(香川照之)、幸四郎の長男・市川染五郎、中車の長男・市川團子も出演し、これまでの舞台中継ともシネマ歌舞伎とも異なる、かつてない歌舞伎が誕生!
配信元 Amazon Prime Video(国内独占レンタル配信)
配信時間 111分
レンタル料 1,900円(税込)
https://www.amazon.co.jp/kabuki/
2020.12.26(土)
文=清水まり