冬本番を控えて急激な感染者増も懸念される「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」にどう立ち向かい、これをどう克服していけばいいのか。
「文藝春秋」12月号では「第三波に備える漢方薬リスト/『感染予防』と『重症化予防』の切り札に」と題し、古代中国にその起源を持つ日本独自の伝統医学「漢方」が持つ可能性について詳述した。
可能性を探る際のキーワードは「未病漢方」。具体的には、人体に本来的に備わっている生体防御機能に着目し、その生体防御機能に働きかけることで、感染や重症化を未然に防ぐという考え方である。
本稿では、紙幅の都合上、本誌では割愛せざるを得なかった事柄を中心に、以下の4点について補足的に報告していきたい。
「信頼できる漢方薬局リスト」を参考に
第1は「感染予防のための漢方薬局の活用」である。
漢方薬局は漢方薬を専門的に扱っている薬局で、服用に伴う副作用も含め、漢方薬に詳しい薬剤師から助言を受けることができる。つまり、症状も基礎疾患もない人が感染予防のために漢方薬を服用する場合、この漢方薬局を積極的に活用するのが安全かつ便利な方法と言える。
本誌記事でも予告を含めて指摘しておいたが、漢方産業化推進研究会(一般社団法人)では全国網羅的な「信頼できる漢方薬局リスト」を作成、公表している。その最新版(2020年10月22日更新)については、以下に示す同研究会のホームページ掲載のリストをご覧いただきたい。
https://kampo-promotion.jp/topics/items/docs/20201023093501.pdf
ただし、この一覧表は漢方産業化推進研究会の会員による推薦によってリストアップされたもので、当然ながら信頼できる漢方薬局のすべてを余すところなく網羅しているわけではない。
実際、この一覧表以外にも信頼に足る漢方薬局は全国に数多く存在しているため、一覧表を参考にしながら、身近にある地域の漢方薬局の所在を確認した上で、これを有効に活用することをオススメしておきたい。
なお、本誌で紹介した未病漢方活用法(漢方産業化推進研究会版)については、同じく本誌で紹介した有効性が期待される漢方薬リストも含めて、原著には「本活用法が扱うのは、PCR検査でCOVID-19感染症が確定するまでの期間であり、診断確定後は国の方針に従って治療することが基本となる」旨の但し書きがあることを付言しておきたい。
2020.11.22(日)
文=森 省歩