■作り方

(1) 鍋に水、鶏モモひき肉を入れる。

(2) 鶏ひき肉を箸で5~6等分に分ける。

【自炊力UPポイント】

今回のレシピでは、ひき肉は「だし」となりつつ、「スープの具」にもしちゃいます。多少の崩れは気にせず、おおまかに分けて煮てください。なお、ひき肉によっては水に入れるとすべてパラパラとほぐれるものもあります。その場合はそのままでOK。

(3) 沸いてアクが出てきたら取り、5分ほどふつふつと小さく泡立つぐらいで煮る。

【自炊力UPポイント】

アクを取るのは、「スープを濁らせないため」です。さほど気にならなければ、丁寧に取らなくても大丈夫。

(4) モヤシ、酒、醤油を入れて2分煮る。

(5) 戻したワカメはザルなどに上げて、しっかり水を切る。

【自炊力UPポイント】

水切りはどんな料理においてもしっかりとやりましょう。「このぐらいいいだろう」と思っても、その水分が全体を薄めて、味わいをボヤけたものにしがちですよ。

(6) (4)の鍋に(5)のワカメ、おろしショウガ、ごま油を入れて、さっくり混ぜる。器に盛り、食べる直前にコショウをふる。

【自炊力UPポイント】

今回のレシピでは、ショウガ、ごま油、コショウは香りづけのために入れています。なので入れたら風味が飛ばないように、加熱はストップ。

 モヤシやワカメは、もっとドッサリ入れても全然かまいません。ただその場合は、水分も一緒に増えて味が薄くなるので、塩を好みに応じて足してください。

 この「好みに応じて」というのがまた自炊力アップのポイント。

 親指、人差し指、中指で軽く塩をつまんだぐらいの量を入れて混ぜてみましょう。それで味見して、薄いか濃いか、ちょうどいいかを判断。この「判断すること」が、自炊力アップのドリルみたいなもんです。

 なーに、濃くなってもお湯を足せばいいんですから心配しないで。

 薄かったらまたちょいと塩を入れればいい。自分のために作っているんであれば、誰に気兼ねすることもありません。

 味の微調整トライはホント、あなたの自炊力を育んでくれますよ!

白央篤司(はくおう あつし)

ローカルフードや「暮らしと食」をテーマとするフードライター。2020年2月に新刊『たまごかけご飯だって、立派な自炊です。』(家の光協会)が発売になりました。パートナーとのふたり暮らしは5年目、炊事全般と平日の洗濯、猫2匹の世話を担当中。
http://hakuoatsushi.hatenablog.com/

Column

白央篤司の罪悪感撲滅自炊入門

料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?

2020.11.07(土)
文・撮影=白央篤司