Nizi Projectの仕組み

 J.Y. Park氏の言葉について解説する前に、まず彼がNizi Projectにおいてどのような役割を担っていたのか確認しておきたい。

 全20話を5回ほど繰り返して視聴し、私はNizi Projectの仕組みについて以下の図のように考察してみた。

 目指す人材像は「輝き続けるスター」。そのためにメンバーに備わっているべき人材要件がいくつか設定され、それらの人材要件を満たすための要素やJ.Y. Park氏の役割を整理している。

 Nizi Projectは超一流のグローバル・ガールズグループを生みだすため、それにふさわしいメンバーとなりうるダイヤの原石を見いだし、育てていくための「人材輩出システム」として設計されていることが分かる。

 プロジェクトの顔でありながら韓国のトップスターでもあるJ.Y. Park氏は、Nizi Projectにおいて参加者たちの資質を見抜くだけでなく、個々人の技術レベルを向上させ、モチベーションを喚起し、スターにふさわしいマインドセットを身につけさせていく役割を持っている(図中の虹色部分)。

 J.Y. Park氏の数々の言葉は、人としての温かみがあるものの単に優しいだけでなく、ときには厳しい事実を伝える。J.Y. Park氏の数々の言葉は、企業内で人材育成やマネジメントを担っているビジネスパーソンにとって参考になる点が多いのだ。

 人材開発関連の業務にあたることが多い私も、はじめは実務に活かせそうだと「名言集」のつもりで彼の言葉をメモし始めたが、いつしか彼の言葉や考え方にすっかり魅せられてしまい、全20話分、およそ5万4000字すべてを友人とともに文字起こししていた(もはや写経に近い感覚であった)。

 もしNiziUの中での推しを問われたら、ミイヒかアヤカか、はたまたJ.Y. Park氏かで悩むほどである。

 いよいよ本題に移りたい。示唆に富むJ.Y. Park氏の言葉であるが、注意深く聴いていくと8つの特徴があることが分かる。彼の言葉をひとつずつ解説していきたい。

2020.09.26(土)
文=青田 努