この連載ではシリーズで女性のライフプランとお金についてお伝えしています。今回は前回に引き続き「老後のお金」について考えます。

 前回は老後にもらえるお金「年金」についてお伝えしました。老後の生活形成のベースは公的年金になりますが、実際には年金だけでは老後の生活費は足りない人がほとんどです。そのために現役時代から老後の生活費用を積み立てておくことはとても大切です。今回は、老後資金をどうやって準備したらよいのか、そのヒントをお伝えします。

 まず、老後に必要なお金について考えてみましょう。

 老後に出ていくお金は、具体的には大きく2つに分かれます。まずは毎月の生活費。そして、その他の支出(医療費・介護費、住宅の修繕費、お葬式代など)です。

 総務省の家計調査では、老後生活の平均的な月額の支出額は2人以上世帯で約27万円、単身世帯で月約15万円です。家族構成やライフスタイルにより必要な支出額は変わりますが、現役時代の生活費の70~80%程度と考えるとよいでしょう。老後はブランド物やドレスが欲しいなどといった欲求が自然と減ってくるからです。

 その他の支出もそれぞれ状況によって異なりますが、平均的な費用をざっくり合計すると1000万円前後になります。

 一方、老後に入ってくるお金もあります。

(1) 公的年金
標準的な厚生年金額 月16万6584円(会社員の場合)
標準的な基礎年金額 月6万6008円(自営業の場合)
(厚生労働省 平成22年度の年金額)

(2) その他の収入(退職金など)
退職金の平均額は2026万円 
(厚生労働省 就労条件総合調査 平成20年)

(3) 資産(貯金、資産性のある保険の受取金、家賃収入など)

 例えば、ひとり暮らしで支出が20万円、年金収入が16万円という場合は、毎月4万円分不足します。年金がもらえる65歳から90歳までの25年間分の赤字を補うには1200万円が必要になります。また、60歳で定年退職をするなら5年分の生活費(1200万円)もさらに確保しておかなければなりません。このようにして、自分に合わせて計算してみることが大切です。

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2013.01.31(木)