photograph:Takuya Sugiyama

 シリーズで女性のライフプランとお金についてお伝えしています。今回は「老後のお金」について考えます。

 老後にいくらお金がかかるのか、不安を感じている人はとても多いですよね。でも、それは当然のことかもしれません。なぜなら、老後になるまでに数十年ある方がほとんどで、将来の状況を予測するのはとても難しいからです。自分や家族の健康状態、親の介護の必要性、将来の経済環境など、状況によって老後に必要なお金は違ってきます。また、今の生活でも手一杯なのに、老後の生活費のことまで頭が回らない、という方も多いでしょう。しかし、いたずらに老後の心配ばかりをして、今の生活を楽しめないのも考えもの。まずは、老後にもらえるお金「年金」について、現行の制度を知っておきましょう。

 日本の年金制度は、国民年金を基礎としていて、基本的には現役世代のすべての人が国民年金に加入する仕組みとなっています。職業によって被保険者の種類は異なりますが、自営業者と自営業者の妻は第1号被保険者、会社員・公務員は第2号被保険者、会社員・公務員の妻は第3号被保険者という区分になります。会社員は厚生年金保険料、公務員は共済年金保険料が給料から天引きされるので、国民年金には加入していないと思っている方もいるかもしれませんが、それぞれの年金保険料を支払うことで、自動的に国民年金保険料も支払っていることになります。また、会社員・公務員の妻の保険料も、配偶者の年金保険料が支払われると、自動的に支払われていることになります。ですので、ほとんどすべての現役世代の方がどこかの区分に属し、保険料を支払っていることになります。

 多くの方が、毎月少なくない保険料を支払っていますが、この公的年金制度には、老齢になったときの年金、病気やケガで障害を負った場合の保障、加入者が死亡したときのその遺族に対する保障、という3つの機能があります。老後の年金給付だけでなく、障害や死亡時の保障としても使えるのです。

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2012.12.29(土)