この連載ではシリーズで女性のライフプランとお金についてお伝えしています。今回は「介護にかかるお金」について考えます。

 20代から40代の女性にとって、自分の老後の問題はまだまだ先ですが、親や祖父母の介護が心配になる年頃です。75歳以上で介護が必要な人は4人に1人とも言われています。介護にはいったいいくらかかるのか想像もつかないかもしれませんが、不安をなくすためにも、介護保険制度の基礎知識と介護にかかるお金の目安を知っておきましょう。

 40歳になると介護保険料を負担することになります。保険料は労使折半で1.55%(全国健康保険協会 東京都 平成24年3月分)です。

 介護保険を利用すると、介護サービスを1割負担で受けることができます。介護の度合いにより利用できる月額限度額は決まっていて、要介護5なら35万8300円かかっても3万5830円になります。

 介護保険はあくまでも家族の負担を減らす目的でできたため、上限までの額では足りないこともあります。支援限度額の範囲内なら本人負担は1割で済みますが、それを超えると10割負担になります。

 実際にかかる介護費用の例としては、月5万円前後を想定しておきたいところです。思ったよりも少ないと思われるかもしれませんが、介護はかなりの長期戦になることが多いのです。生命保険文化センターによると介護にかかる年数の平均は4年7カ月といいます。

 さらに、在宅介護が難しい場合は費用が高額になることも。公的な特別養護老人ホームや民間の有料老人ホームなどに入居することになるからです。民間施設の場合は入居金1000万円、月額利用料が20万円前後かかるのが一般的です。

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2012.12.09(日)
text:Yoko Hanawa
photograph:Takuya Sugiyama / Shigeki Yamamoto