心理占星学研究家の岡本翔子さんが、2020年の年末に起こる惑星の大きな動きから、現代の革命的ともいえる時代の動きを読み解きます。全4回シリーズのうち第3回です。
「アウトサイダーが世界を救う!?」
2020年末に、占星術ではグレートコンジャンクションという、世界を大きく変える星の配置があると書きました。
さて3回目は、歴史のお話から始まります。
「目前の仕事や生活がどうなるのかもわからない今の私に、過去の出来事を並べ立ててどんな意味があるのか」と考える人もいるでしょう。
占星術は星と人間の営みをつなぐ試みです。20年毎に訪れる木星と土星のコンジャンクション、さらに約200年単位でグレートコンジャンクションのエレメント(12星座を分類する火・地・風・水の4要素)が変わるグランドミューテーションが起こるのが2020年。
過去に天空で木星と土星が会合する年に起こった出来事や事件は、2020年を生きる私たちに、何らかのメッセージを伝えてくれます。
» 第1回 グレートコンジャンクション
» 第2回 凶星が出合い悲劇が重なる
» 第3回 革命の歴史が語る
» 第4回 2020年後半は戦略を練るチャンス
象徴的なのは ベルリンの壁の建設と崩壊
第1回のおさらいになりますが、占星術で正反対の意味をもつ木星と土星が出合う年は、自由や開放を求める力(木星)と、現在の法律や社会システム、権力を維持しようとする力(土星)がぶつかり合い、歴史的な出来事が起こる年として知られています。
伝統 VS 革新、相反する欲求にどう折り合いをつけるかがテーマになるので、約20年の間に築いてきたもの、維持してきたものの改革を余儀なくされる年になります。
それに加えてグランドミューテーションも同時に起こるので、20年単位だけではなく、200年単位で時代が大きく変わる年として2020年に注目しています。
歴史をひも解くと、東西ドイツに分断されたベルリンの壁が作られた1961年夏は、山羊座の終わりで木星と土星が会合。
そして壁の崩壊は1989年11月で、蟹座の木星と、山羊座の土星がオポジション(180度)のときに起こりました。
また1981年1月、在イラン・アメリカ大使館人質事件の解放は天秤座での木星と土星のコンジャンクション時でした。
その翌日、アメリカではレーガン大統領就任、3月には狙撃されて重傷を負うという事件も。
この年は木星と土星の会合が数カ月に渡って続き、6月には中国共産党が、自国で行われた「文化大革命」が誤りであったことを正式に発表しました。
※1980年~2000年までの20年間には、過去200年の間で例外的に、通信・コミュニケーションを司る「風の星座」である天秤座で木星と土星が会合。1980年代後半から始まったネット革命、そして90年代にはインターネットが本格的に利用され始めました。
占星術では、2020年に始まる新しい時代の前兆が、木星と土星のグレートコンジャンクションの期間にあると考えています。
さてひとつ前のサイクル、2000年に目を向けると、朝鮮半島の分断後に初の南北朝鮮首脳会議が開かれ、11月のアメリカ大統領選挙では歴史的接戦の末に、共和党ジョージ・W・ブッシュが当選。
中東ではパレスチナ問題が激化し、それまでの中東和平プロセスが事実上、崩壊に追い込まれました。
このときの木星と土星は、保守的で安定を求める牡牛座に位置していました。
日本では介護保険制度がスタート、また日銀がデフレスパイラル回避のため、それまでのゼロ金利政策を解除したことも記憶に残っています。
2020.05.27(水)
文=岡本翔子