心理占星学研究家の岡本翔子さんが、2020年の年末に起こる惑星の大きな動きから、現代の革命的ともいえる時代の動きを読み解きます。全4回シリーズの最終回です。

 夏の気配を感じる季節になりました。緊急事態宣言が解除されて、私たちはかつての日常を取り戻せるのでしょうか。

 前に進むには、新しいライフスタイルを受け入れる必要がありそうです。

 第4回目は、2020年末に起こるグレートコンジャンクション(第1回目のコラムを参照)の立役者である木星土星、それぞれの動きに注目して、新しい時代を生きるヒントを考えてみたいと思います。

» 第1回 グレートコンジャンクション
» 第2回 凶星が出合い悲劇が重なる
» 第3回 歴史が物語る驚きの出来事
» 第4回 2020年後半は戦略を練るチャンス


チャンスを与え、幸運の波に乗る方法を教えてくれる木星

 私はライフワークとして、毎年、月の満ち欠けを記した手帳を出版しています。

 その中にはその年の主要な惑星の動きについてのコラムがあります。その手帳「MOON BOOK 2020」の、木星に関するコラムを紹介します。

 木星は「天のサンタクロース」「ラッキースター」と呼ばれ、数々の女性誌の星占いでも、幸運をもたらす惑星として知られています。

手帳「MOON BOOK 2020」。
手帳「MOON BOOK 2020」。

【木星に関するコラム1】
2020年5月14日~9月13日「木星が山羊座で逆行します」

幸運と発展の象徴・木星は、2019年12月3日に山羊座に入り、現在も山羊座をゆっくりと運行しています。木星はひとつの星座に約1年留まりますが、その間で約4カ月は見かけ上の逆行となります。木星の山羊座での逆行期間は、あなたを支えている倫理観が揺らぎ、「真面目に努力をしてもバカを見るだけだ」という悲観的な気分に陥ったり、人に厳しく自分に甘くなったりもしそうです。生活の不安から金銭や現在の地位にしがみつく傾向も表れます。木星が山羊座を運行する期間は、あなたの中に思慮深さや「目標を必ず達成してみせる」という強い意志を育てる期間でもあります。再び順行に戻るまでの期間は、自分と向き合い、今後の戦略を練るときです。

 これを書いたのは今から1年ほど前。

 このシリーズの第2回に書いたように、今年は「第3次世界大戦か、はたまた金融恐慌が起こるか!?」などと想像していたら、予期せぬ新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、私たちの生活は一変しました。

 2020年9月までの逆行期間は、いうなれば“魔の刻”。問題が山積みの現実に気持ちがやさぐれて、自暴自棄にならないように。

 山羊座が司るキーワード“規律・責任・伝統・ムダを省く・合理的”は、どちらかというと地味で華やかさに欠けます。

 しかしコロナ禍の自粛生活で気づいた人もいるはず。手洗いルールの実践やソーシャルディスタンスを守ることで、見知らぬだれかの、また自分の命も守ることができると。

 「ルールを守るって美しい。ストイックに自分を磨くのってカッコいい!」と発想を変えられたら、現実も変わってきます。

【木星に関するコラム2】
2020年9月13日「木星が山羊座で順行します」

5月上旬から約4カ月逆行していた木星が、9月12日には順行に戻ります。昨年12月に山羊座入りした木星は、ゴールを見据えて一歩一歩努力することで“厳しい人生を生き抜くスキル”を磨く人を応援してきました。しかし逆行期間(5/14~9/12)中は、目標を見失ったり、思うような結果を出せずに焦ったりする人もいるでしょう。再び木星が順行を始めるこの期間は、逆行中に蓄えたエネルギーや知識を全開にして前へと進めます。山羊座の木星は、“目標を見据え日々努力を重ねれば、必ず素晴らしい景色が見えるはず”とあなたにメッセージを送ります。また山羊座は「伝統」を司る星座でもあります。「伝統」とは「後世に残るもの」です。自分という人間の働きが後世へとつながり、ひいては「伝統」の一部になる。そんなイメージで、木星が山羊座を去るまでの残りの期間を過ごしたいものです。

 9月に入ると木星は逆行から順行に戻ります。ここで今一度気持ちを引き締めて、年末まで突っ走りましょう。

 山羊座の木星はあなたに、「やりたいこと」より「できること」は何かと問いかけてきます。

 ささやかでもいい。今、「できること」を積み重ねていくうちに、社会の中で自分の居場所を見つけることができます。

 自己満足では山羊座の木星は喜びません。目前に表れる厳しい道を「やりがいがあって面白そう!」と前向きにとらえられたら(ちょっとマゾッ気必要ですが)、世界はあなたに微笑んでくれます。

【木星に関するコラム3】
2020年12月19日「木星が水瓶座に入座します」

ここで大きな星の動きがあります。木星が12月19日に山羊座から水瓶座へと移動します。木星は約1年間にわたり、その期間の世相や流行、ブームなどにも影響を及ぼします。水瓶座は風のサインで、「自由・平等・博愛精神」などをキーワードとする星座です。世界はますますボーダレスになり、ネットを通じて同じ興味や価値観を共有できる人々とつながる機会も増えるでしょう。よりよい社会を築くための、新しいテクノロジーが発明される予感もします。公私共に独自の個性を磨き、人に平等で博愛精神に満ちた人を、木星は応援し幸運を与えます。また水瓶座の木星は、あなたの中に“小さな革命家”を住まわせることを提案します。通常なら「絶対に無理」と思うことを、新しい発想で「こういう考えもあり」と突破する力を水瓶座の木星は与えてくれるでしょう。

 木星が水瓶座に移動して数日後、2020年12月22日(火)に新しい時代を象徴するグレートコンジャンクションが起こります。

 約200年を一単位とする新時代の幕開けです。世界のあちこちで新しい時代を感じさせる出来事が起こり始めます。

 今までの山羊座的な世界観、「ストイックに努力を重ねて目に見える結果を出す」から、より水瓶座的なやり方、「頭を使って斬新なアイデアを生み出し、ガチガチに固まった世界に風穴を開ける」へとシフトしましょう。

 大企業主導型の社会から、個人個人が「共感」でつながりネットワークを築く、そんな時代が静かに始まる予感がします。

2020.05.30(土)
文=岡本翔子