テレワークは女性にとって 24時間の激務に

 5月4日(月)から出勤した人たちのほとんどが、年齢50歳前後の男性だそうです。

 子どものいる家庭では9月まで休校が続くため、保護者が一緒にいなくてはなりません。そうなると、家に残るのは圧倒的に女性です。

 イタリアでは、15歳以下の子供だけの留守番は禁止という保護法も一因しています。

 在宅勤務は一瞬、一見ラクチンのように感じますが、とんでもない。

 小さなお子さんがいる家庭では集中して仕事もできないし、朝、昼、晩の食事の世話や家事、特に介護を必要とする家族がいると、下手をすれば24時間働きづめなんて事態にもなりかねません。

 精神的にも負担が大きいでしょう。ベビーシッターボーナスや介護ボーナスなども給付されるとのことですが、家に誰かを入れるのは、まだ感染の心配があります。

ローマ教皇も心配する「心の健康」

 閉塞感を抱えながらみんなで乗り越えたロックダウンですが、DV被害や精神を病んでしまったという悲しいニュースも流れます。

 DV被害者の多くは女性です。

 キリスト教カトリック宗主であるローマ教皇フランシスコによる平和祈願の様子が毎日、国営放送RAIのニュース番組内で流れます。

 「DVと精神的不安から多くの人が解放されますように」と祈る日も。放送後には、相談窓口コールセンターの明るいCMが流れました。

 この「心」のケアこそが、これからやってくる未曾有の不安に打ち勝つもの。

 ポストパンデミックを乗り越える鍵ではないかと思いました。

※記事の内容は5月14日(木)現在のもの。掲載の情報は一部であり、各自治体、エリアなどによって異なる場合があります。

大平美智子(おおひら みちこ)

イタリア専門コーディネーター&ライター

美しいもの、美味しいものをテーマに雑誌など各媒体でイタリアの素敵を情報発信中。トスカーナ流ホリスティックライフを夢みてキャンティの田舎で小さなオリーブ農園経営にも挑戦。
Instagram @michiko.ohira