インターネットの普及で世界は急速に、身近に感じられるようになりました。
毎日ニュースや情報で多くを知る機会に恵まれていますが、知っていることの裏に私たちの知らない「事件」や「変化」が起きています。
イタリアはルネサンスの発祥の地である美しい古都、フィレンツェ。
そこで仕事をしながら子育てする大平美智子さんが「ある少女」によって、変わってしまったご自身の暮らしをリポートします。
環境保護のジャンヌ・ダルクが叫ぶ
あなたたちを許さない!
2019年9月23日、ニューヨークの国連本部で開かれた気候行動サミットで、各国の首脳を相手に怒りのスピーチで世界をうならせた16歳のスウェーデン環境保護活動家グレタ・トゥーンベリ。
8歳のときに地球が病んでいることに心痛めたグレタは、12歳から一人で気候変動対策を訴え続け、16歳でもうひとつのノーベル賞と称されるスウェーデンの「ライト・ライブリフッド賞」を受賞。
2019年10月にはノーベル平和賞の候補にも挙がりました。
議会や政治家に対する率直で熱のこもったスピーチが、若者を中心に広く知られています。
地球温暖化への早急な対策を訴える高校生のグレタの声は、今、世界中に社会変動を起こし始めています。
とりわけ敏感に共鳴しているのがヨーロッパのティーンたち。
グレタは「学校で勉強するより、今は行動の時!」とTwitterなどのSNSで発信し、授業をボイコットして気候変動対策を訴えるストライキ「未来のための金曜日」への参加を呼びかけ続けています。
2019.10.11(金)
文=大平美智子