台中から電車とバスを乗り継いで向かった、大河と海の境目。

 いろいろな偶然から生まれたこの絶景は“台湾のウユニ湖”と呼ばれています。


高美濕地の美しさに息を呑む

#03 台中(taichung)

 台湾海峡と大甲溪の境にある汽水域。夕暮れになると現れるのは、オレンジから紫への光のグラデーション。

 そしてその光が水面に鏡のように映り込み、まるで自分がその色彩の中に浮かんでいるような感覚に陥る。

 たとえ周りに多くの人がいても、しんと息をのむような神々しい時間だ。ただし、この景色は天気のよい日の日没の時間帯に干潮が重ならないと現れない貴重なもの。

 だからこそ、運よく居合わせることができたら感動もひとしおといえる。

 また、渡り鳥の繁殖地としても知られる豊かな場所。120種もの鳥類をはじめ、さまざまな動植物を観察できるのも魅力だ。

 一生忘れられない、圧倒的な自然を体験しに出かけよう。

高美濕地
(ガオメイシーディ)

貴重な生態系を守るための自然保護区内にある湿地。
絶滅危惧種や台湾固有種の動植物が生息するため、気を配って行動しよう。


●台北からの行き方
台北駅から台湾高鉄(新幹線)にて高鉄台中駅へ。
高鉄台中駅から徒歩10分の台鉄新烏日駅から台鉄にて、または、台中駅すぐの台中後火車站から309番バスにて清水駅、さらに178・179番バスにて「高美濕地」下車すぐ。

2020.04.21(火)
Photographs=Toshiyuki Kumagai(Kaomei Wetland)
Coordination=Mari Katakura
Cooperation=Taiwan Tourism Bureau

CREA 2020年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

おいしい、台湾。

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