(2)石鹸や弱酸性のボディソープで コーティングが剥離

――なるほど。とはいえ、汚れがひどいときは強くこすってしまいがちです。

古川 皮脂などの頑固な汚れがついているときは、メガネ用のクリーナーを使うといいでしょう。スプレータイプやムースタイプ、ウェットティッシュタイプなど様々な種類が販売されています。持っていなければ、台所用の中性洗剤でも代用が可能です。

 ここで大切なのは、“中性”であるということです。石鹸などアルカリ性のものや、弱酸性を謳ったボディソープなどを使うと、レンズ表面のコーティングが剥離してしまう可能性があります。

――手を洗ったついでに石鹸で……などは避けないといけないですね。では、中性洗剤を使った洗い方を教えてください。

古川 メガネ全体が入る程度の容器に水を張り、中性洗剤を2~3滴垂らしたら、その中でメガネを軽くジャブジャブと泳がせるようにしてください。

 こすらなくても、それだけで皮脂汚れがきれいに落ちます。そのあと、水洗いで洗剤を落としてから水気を拭けば完了です。

 このとき、レンズだけでなく、ぜひフレーム全体もくまなく洗ってください。とくにテンプル(耳に掛ける部分)は、整髪料や汗などが付着する箇所です。

 なかでも汗の塩分はメガネが劣化する原因の一つなので、こまめに汚れを落とすことでメガネの寿命も変わってきます。鼻パッドについたメイク汚れなども、拭いておくといいでしょう。

――なるほど、正しい拭き方はわかりました。ですが、水やメガネ拭きが用意できない外出先ではどうしたら良いでしょうか。

古川 水で汚れを洗い流せない場合は、レンズに息を吹きかけて、表面についたホコリなどをできるだけ払ってください。そのあと、柔らかな布で拭く。

 メガネ拭きが理想ですが、なければティッシュでも構いません。できれば、なるべく柔らかな質感のティッシュがいいですね。

2020.03.26(木)
文=伊藤 美玲
写真=山元茂樹/文藝春秋