CREA WEBの人気連載「佐々木まことの犬猫脱力写真館」にて、犬や猫の愛らしい瞬間を届けてくれる動物写真家の佐々木まことさんが、スペシャル講義を開講!

 気分屋で動きの予測ができない猫を、「可愛く撮る方法」を伝授します。

 ぜひポイントをチェックして、あなたの飼っている猫や、街中で見かけた猫たちを、よりイキイキと魅力的に写してみましょう。


Point8 野良猫を探すなら「居心地の良い場所」へ

 猫は隠れられる場所の多いところを、居心地が良いと感じるようです。

 私が撮影にいく場所としては、「下町情緒のある街角」「漁村」「大きな公園」などがあります。

 たくさん野良猫が住んでいるということは、食べ物をくれる人がいる……つまり食い扶持を確保しているということだったりします。

 「大きな公園」などの場合は、避妊去勢済みの証として耳をカットして、地域猫として可愛がられていたりする場合も多いです。

 「捨て猫が増える」「虐待される」などの危惧もありまして、ここ最近ではネット上での情報は減りつつあります。

 私の場合は、少ない情報でも、まずは現地に行ってみて探すところから始めます。

 20年近く野良猫を撮っておりますと……言葉では言い表せないのですが、野良猫がいるかどうかは、現地に行くと雰囲気で分かるようになったりもしています。

 野良猫が居る場所で猫を見つけるポイントとしては、「猫は居心地が良い場所を好む」という習性がありますので、「猫の気持ち」になって「居心地が良い場所」を探すと見つかるものです。

 涼しい季節は、日の当たる屋根や車の上で日向ぼっこしていたり、寒い時期ですと、暖かいエアコン室外機の上や風が入ってこない場所、暑い時期は、日陰や風通しの良い場所などなど……「猫の気持ち」になって探してみましょう。

 あと、個体差はありますが「野良猫は警戒心が強くて逃げるもの」と思って良いです。

 私の場合は見つけても、慌てて近づかずに徐々に距離を詰めて撮影しています(普段から高倍率ズームレンズ付きのミラーレス一眼デジカメを持っているのは、そのためです)。

 よく行くスポットにいる野良猫の場合は、ストーカーのごとく(笑)、何度も通っているうちに顔を覚えられまして……「なんだか鬱陶しいけど害の無いヤツ」と認識されるようで、撮影に行きますと「なんだ……またお前か!」という顔をされるようになります(笑)。

 さらに馴れてきたりしますと……わざとレンズの前に出て来たりして撮影の邪魔をされたりもします(笑)。

2020.02.23(日)
撮影・文=佐々木まこと