日本の社会とアートが活力に溢れていた時代
(MoMA「TOKYO 1955-1970:新しい前衛」展)
さらに60年代の日本のポップアートの絵画と「もの派」の立体作品を紹介するセクションが続き、最後は写真とグラフィック・デザインの分野で展覧会を締めくくる。絵画や彫刻だけではなく、東松照明や森山大道の写真、 横尾忠則や粟津潔のグラフィック・デザインまでも視野に含めることで、あの時代のクリエイティヴな熱気を感じさせる展示となってい る。
The Museum of Modern Art, New York. Gift of the designer. (C) 2012 Yokoo Tadanori
(MoMA「TOKYO 1955-1970 : 新しい前衛」展)
また来年2月には同じニューヨークのグッゲンハイム美術館で「具体」の回顧展が開催される。吉原治良、村上三郎、田中敦子といった関西出身の作家を中心に1954年から72年まで続いた具体美術協会は、パフォーマンスやインスタレーションの先駆者として高く評価されている。
戦後の復興期から東京オリンピックを経て、大阪万博へと至る15年間。経済成長を背景に日本の社会がダイナミックな活力に溢れていたこの時代、アートもまたエネルギッシュに躍動していた。その魅力に触れるには、絶好の機会と言えそうだ。
「TOKYO 1955-1970 : 新しい前衛」展
開催期間 2012年11月18日~2013年2月25日
開催場所 ニューヨーク近代美術館
URL www.moma.org
「具体:素晴らしき遊戯場」展
開催期間 2013年2月15日~5月8日
開催場所 グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)
URL www.guggenheim.org/new-york/exhibitions/upcoming/gutai-splendid-playground
Column
世界を旅するアート・インフォメーション
世界各地で開かれている美術展から、これぞ!というものを、ジャーナリストの鈴木布美子さんがチョイスして、毎回お届けします。
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2012.11.29(木)